米ケンタッキー州にある創造博物館を運営する「アンサーズ・イン・ジェネシス(答えは創世記に)」(AiG)の代表兼CEOであるケン・ハム氏が、「アーク・エンカウンター(箱舟との遭遇)」と呼ばれる、現在建造中のノアの箱舟の実物大模型の公開を発表した。同州で建造されているこの模型は、全長510フィート(約155メートル)に達する。
ハム氏は、8日に発表した声明で、「見学者は、聖書に書かれている通りに建てられている、ノアの箱舟の歴史的な建造を直接目の当たりにし、その興奮を味わうでしょう。お客様は、工事現場のすぐそばにある見学所から、安全に箱舟をじっくり見ることができます。世界で最大の木造建築となるであろう建造中の箱舟を見るのは、一生に1回きりの機会です」と述べた。
AiGによると、2016年完成予定の箱舟は現在、巨大なクレーンを使って基礎の上に角材を載せる準備が整ったところだ。箱舟の見学料を払った見学者は6月の間、作業員が補助的な塔を建てる様子を見ることができる。
アーク・エンカウンターの公式サイトでは、この壮大なプロジェクトのための献金を募集している。目標の2950万ドル(約36億円)に対し、これまでに1970万ドル(約24億円)が集まった。
一方、プロジェクトをめぐっては、一部で議論を呼んでいる。AiGは、このプロジェクトのために労働者を雇用する際に宗教で選別することをケンタッキー州が禁じたこと、また同州がこのプロジェクトに対し税の軽減プログラムへの参加を禁じる決定をしたことについて訴訟を起こしている。
「州の新しい制約は明らかに違法です。私たちは1964年公民権法のような、雇い入れ時の宗教的優遇を認めた連邦と州の両方の法律に準拠しています。そのために、無神論団体は雇い入れ時に(労働者を)差別することができ、実際に行っているのです」と、ハム氏は昨年12月に語っていた。
AiGからの最新のお知らせでは、連邦裁判所での訴訟はいまだ続いているという。AiGは、州が税の軽減プログラムへの申し込みを却下したのは、アーク・エンカウンターの宗教的メッセージ、またスタッフの雇い入れの際に宗教で選別しているからだと主張している。
ハム氏はまた、なぜこのプロジェクトにかける資金を貧しい人のために使わないのかという批判にも反論している。
「私が、この興奮するアーク・エンカウンターについてのお知らせを更新するたびに、このお金を『無駄遣い』するのではなく、貧しい人のために使うべきだと習慣的に不満を述べる人がいるようです」と、ハム氏は先月語っている。
「アーク・エンカウンターは、創造博物館のように、神の御言葉の真理と福音を示す専門的で、力強く、また親切な方法です。悲しいことに、キリスト教徒を自称する人ですら、このアーク・エンカウンターを批判し、このお金を貧しい人のために使うべきだという人がいます。こういう人々は、世界で最も重要な食物に多くの人があずかることの大切さを理解しないか、どうでもいいと思っています。救いの福音という霊的な食物、永遠のいのちがかかっているそのメッセージの重要性をです」とハム氏は語っていた。