俳優の窪塚洋介(35)が4日、遠藤周作の小説『沈黙』をマーティン・スコセッシ監督が映画化する『サイレンス(Silence、原題)』に出演することを明らかにした。主人公のイエズス会司祭を日本に案内するが、後に裏切ってしまう日本人キチジロー役を演じる。
窪塚は自身のツイッターで、「数年に及ぶオーディションを勝ち抜きまして、ハリウッド映画に初出演となり、年初から台湾にいます。監督はマーティン・スコセッシ御大です。作品は遠藤周作さんの『沈黙』です」と発表。「光栄にもキチジローという大役授かりまして、役者冥利に尽きまくる日々を過ごしています」と報告した。
『サイレンス』は、スコセッシ監督が20年余り構想を練ってきた作品。これまでも、スコセッシ監督が『沈黙』を映画化するという噂やニュースは何度も伝えられてきたが、その度にさまざまな理由で頓挫してきた。
撮影は1月から台湾でスタートしており、今年末から遅くとも来年には全米で公開予定と伝えられている。
『沈黙』は、17世紀の江戸時代初期のキリシタン弾圧について、史実・歴史文書に基づいて遠藤が創作した歴史小説。実在するイエズス会の日本管区長代理を務めたポルトガル人司祭クリストファン・フェレイラが登場。フェレイラの棄教を聞いた弟子のセバスチャン・ロドリゴが真相を求めて日本に潜入し、話が展開されていく。
窪塚が演じるキチジローは、マカオで出会ったロドリゴを日本に案内するが、後に彼を裏切り、追われていたロドリゴの居場所を密告する。遠藤は後に自分自身をモデルにしたと話している。
ロドリゴ役は、『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)で主演を務めたアンドリュー・ガーフィールドが演じる。日本からは、窪塚の他に、浅野忠信、イッセー尾形らが出演する。