日本初開催となる「第1回聖書クイズ王決定戦・東京」(日本聖書協会主催)が21日、東京・銀座で開催された。11組が参加し、「聖書に由来しないことわざは?」「ボアズとルツの孫は誰?」など、出題された様々な形式のクイズに答えていった。白熱したクイズ戦を勝ち抜き見事優勝したのは、東京神学校のOB・OGによる「東京神学校Aチーム」で、賞品として2泊3日の長崎旅行を受け取った。
聖書クイズ大会は、海外ではすでに多くの国で開催されている人気の企画。シンガポールや台湾、タイなど、特にアジアや中南米で活発で、参加者が千人を越えるものもあるという。日本では今回が初開催となり、クイズの専門家にアドバイスを求めるなど、約半年を掛けて準備を進めてきた。今後は、北海道、関西、九州などの地域でも開催し、各地域の「聖書クイズ王」たちによる全国大会も考えているという。
今回参加したチームは、中学校の教師と生徒によるチームや親子によるチーム、高校生の友人同士で作ったチーム、また会場で初めて会ったというチームなど様々。広島や名古屋など遠方からの参加者もおり、年代層も中学生から老人までバラエティに富んだ組み合わせとなった。
大会は予選ステージと決勝ステージの2部構成で、全チームが参加した予選ステージでは、○×、選択、ビジュアル、筆記の4タイプのクイズが出題され、決勝ステージへ進出できる3枠を巡って白熱した戦いを見せた。クイズは、「神が初めに言われた言葉は、『生めよ、増えよ』である、○か×か」などと簡単なものから、「小アジア東部の高原地帯にあり、初代教会のクリスチャンが住んでいたことで有名な遺跡の名前は?」という難易度の高いものまで様々。しかし、基本は「聖書を読んでいれば分かる」内容。観覧者も出される質問一つひとつの答えを考えながら見入った。
予選ステージの合計正解数が最も多い上位3チームが決勝ステージへ進める仕組みで、予選を通過したのは、東京神学校Aチーム(30ポイント)、チームMGJ(28ポイント)、プリム(27ポイント)の3チーム。予選ステージ後には、クイズ大会の観覧者も参加できる「個人戦」が行なわれ、正解者それぞれに賞品が贈られた。
予選・決勝ステージの間のハーフタイムでは、ゴスペル歌手のMigiwaによるミニ・コンサートが行われた。先月、小さく可愛い聖書を見つけ購入したというMigiwaは、「神様の御言葉はいざというときに本当に役に立つんですよね。いつも(聖書を)持っていたいと思い、持ち歩いています」などとコメント。聖書のストーリーから作ったという「暗闇に光」や、「喜びたたえよ」などを3曲を披露した。
決勝ステージでは、予選を勝ち抜いた3チームが早押クイズで対決。「新約聖書の中の『主よ、来てください』という言葉はアラム語では何と言うか?」「エリメレクとナオミの2人の息子はマクロンともう一人は誰?」など難問が続いたが、まだ質問を読み上げる途中でボタンを押し正解するチームも多かった。決勝ステージは、先に10問正解したチームが優勝というルールで行なわれ、予選ステージを1位で通過した東京神学校Aチームが、予選3位のプリムの追い上げをかわして、初代「聖書クイズ王」に輝いた。
この聖書クイズ大会は、「聖書を読む運動の一つとして企画した」(渡部信・日本聖書協会総主事)。同協会は、「聖書と音楽の出会い」という企画を全国各地で開催しているが、こちらはもうほぼ全国の都道府県で開催したという。年齢を問わず参加できる新しい企画として、クイズ大会が持ち上がった。今回は初開催であるが、これにより様々なノウハウを得られたとして、今後さらに改良を加えながら、全国各地で開催していく考えだ。