英国国教会は14日、イングランド北部のヨークで総会を開催し、女性主教を認める議案を賛成多数で可決した。16世紀に創立した同教会にとって歴史的転換を迎える。早ければ年内にも初の女性主教が誕生する見込だ。
女性の聖職者任命をめぐっては、同教会内で約40年にわたり議論されてきた。主教よりも階級が下がる司祭については、1992年に女性司祭が認められ、1994年に初の女性司祭が誕生している。しかし、各教区のトップを務める主教については、2012年11月の総会で否決されていた。
昨年11月の総会では、女性主教容認に道筋を付ける合意がなされ、今年2月に開催した総会で、女性主教を容認する方針を支持する決議がなされていた。
同教会の霊的最高権威であるジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教は、女性主教容認の支持者で、容認に向け様々な働きかけをしてきたと伝えられている。
デービッド・キャメロン英首相も女性主教容認の支持者。今回の決議の後、自身のツイッターに「女性主教を認めるきょうの決議を心から歓迎する。教会にとって、また平等の精神にとって偉大な日」とコメントし、歓迎した。
16世紀にカトリック教会と対立する形で英国で誕生した英国国教会は、同教会が母体となって現在は世界に広がっている聖公会(アングリカン・コミュニオン)の本家的存在。現在も世界各国の聖公会の主導的役割を担っている。
世界の聖公会ではすでに米国、カナダ、オーストラリアなどで女性主教が認められており、英BBCによると、世界の聖公会には今年2月までに計27人の女性主教がいる。
今後、同議案は英国議会の承認を経て、エリザベス女王による承認を得られれば、11月に再び開催される総会で発行することになる。