【CJC=東京】財政再建を迫られるイタリア政府が2月27日、これまでほぼ非課税扱いしてきたカトリック教会が保有する施設に、不動産税を課す措置を閣議決定した。ANSA通信などが伝えた。カトリック信徒が多い同国だが、増税に直面する国民の間では、教会の特別扱いに対する反発が強まっており、「聖域」にメスが入った形。
議会承認を経て来年度から実施されると、年間5億から6億ユーロ(約540億~650億円)以上の税収増が見込めるという。
イタリアではカトリック教会が、ホテル、診療所、ショッピングセンターなど約10万件以上を所有する。その一部で聖職者が生活していたり、施設内にミサを行う場所を設けてあれば「宗教施設」扱いとして課税されなかった。今後は聖堂や修道院などを除いて、商業利用される施設は課税される。
教会関連施設への免税措置は、欧州連合(EU)欧州委員会が公正な競争を阻害している可能性を調査していた。
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