1517年、マルティン・ルターが当時のローマ教会に抗議し、「95カ条の論題」を打ちつけ、教会が免罪符を大量に販売することなどを批判した宗教改革から、2017年で500年を迎えることになる。
世界教会協議会(WCC)エキュメニカルセンターでは28日、ドイツ福音主義教会連盟(EKD)、ルーテル世界連盟(LWF)ドイツ委員会代表者らが訪問し、ルターの宗教改革500年を祝う企画行事を立ち上げるための会合がなされた。ルターの生誕したドイツでは、2008年から宗教改革500年祭を目指した「ルターの十年」が始まっている。
28日エキュメニカルセンターで行われた朝の祈り会ではヨハネの福音書1章1節「はじめに、ことばがあった」が朗読され、宗教改革後のキリスト者にとって御言葉に焦点を当てた信仰に立ち返ることで良心の自由や民主主義的な活動を啓発させていったことが改めて黙想された。
EKD司祭のマルティン・シンデヒュット氏は「御言葉は現実を指し示しているのではないが、現実を想像する。現実であり、現実となるのである。キリスト者にとって、御言葉には神の奥義が秘められているのであり、全地のいのちの基盤となるものである」と述べた。
WCC総幹事のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト博士は、宗教改革のエキュメニカル運動における重要性について、「宗教改革は教会に分裂をもたらした出来事だと見られることもあるが、宗教改革によって改めて聖書の御言葉と新鮮な出会いができるようになった。キリスト者の信条や考え方について刷新し、世界中でキリストの弟子訓練を啓発させる出来事となった」と述べた。
WCCでは2017年のルター宗教改革500周年をどのように記念するかが最近の大きな課題の一つとなっている。
トゥヴェイト博士は8月、WCC中央委員会で「私たちが共に(500周年を)記念することは、福音の再発見につながる。私たちは、教会の伝統は教派にかかわらず、このエキュメニカル運動および対話がなされるようになった革命が私達すべてにとって大きな宝となったことを改めて記念し祝うべきである。もし1517年の福音に対する改められた理解の重要性が強く認識された行事が、ローマカトリック教会含めWCCのエキュメニカル共同体のすべての人たちにとって祝われるものでないとすれば、私の失望するところである」と述べていた。