来年10月に第10回世界総会を韓国釜山で開催する予定の世界教会協議会(WCC)は、総会テーマとして「いのちの神よ、我らを正義と平和へ導きたまえ」を掲げている。
WCCの発行する雑誌「エキュメニカル・レビュー」特別編集人のフラタ・ルスング・モヨ氏およびサロジニ・ナダル氏は、最新号において現代の倫理問題、神学問題の分析において「ジェンダー問題」は欠くことのできない重要な要素であると指摘している。
両者はジェンダー問題について、「(現代社会においても)異なる人種、階級の間、あるいはカースト制度下などにおいて女性と男性の間に存在する不平等な力の差異が認識できている」と指摘している。
エキュメニカル・レビュー編集長のセオドア・ギル氏は、「総会テーマに基づいて、ジェンダー問題を改めて再考し、女性が経験する諸問題、ジェンダー差異の分析において新たな枠組みを作っていきたい」と述べている。
現代女性の直面する諸問題として女性に対する暴力、人身売買において女性を性労働者として商品として扱う問題、労働における不平等、アフリカ女性の生活上の諸権利の侵害、男女の性差による倫理的な差別、グローバル資本主義の犠牲者となるなどさまざまな問題が世界各地で残されている。
同雑誌編集者らは、これらの現代社会で直面する女性の問題を分析することによって、人々が「いのち、正義と平和の意味について改めて受け止め、洞察することを助けることになるだろう」と述べており、さらにはエキュメニカル運動そのもののにおいても新たな課題を投げかけ、「すべてのいのちに完全になされる」運動となっていくことを促進するだろうと指摘している。
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