【CJC=東京】教皇べネディクト16世は11月18日、アフリカのベナンを3日間の日程で訪問した。教皇は、現地時間18日午後、第一の訪問都市、コトヌーに到着、ボニ・ヤイ大統領をはじめとするベナン政府要人、現地の教会関係者らが出迎えた。
バチカン放送によると、教皇は歓迎式の挨拶で、この訪問が今年記念されるベナンとバチカン間の外交関係樹立40周年と、同国への福音宣教150周年の祝賀の機会に行われることを指摘した。
教皇は今回の滞在中、2009年10月にバチカンで開催された第2回アフリカのための特別シノドス(代表司教会議)の実りを受けて自ら起草された『アフリカ・シノドス後の使徒的勧告』を司教らに手渡したいと述べ、この使徒的勧告がアフリカの多くの教会共同体の司牧活動を導き、信者たちを大きく成長させることを要望した。最後に教皇は現地語のフォン語で、ベナンに神の祝福を祈った。
教皇は、歓迎式に続いてコトヌー司教座大聖堂を訪問した。慈しみの聖母に捧げられた同大聖堂で、教皇はベナンの教会関係者らと感謝の賛歌「テ・デウム」を歌い、アフリカの保護者であり、キリスト者の助け、模範である聖母に、アフリカに希望、平和、正義がもたらされるよう取り次ぎを祈った。
教皇は、19日午前、コトヌーの大統領官邸で、政府関係者・同国駐在外交団・諸宗教代表者ら約2500人と会見した。
教皇は、「希望」をテーマに、アフリカの未来を勇気付ける講話を行い、腐敗や不正義と戦い、自由を求める人々の未来への希望を断ち切ることがないようにと訴えた。「アフリカは希望の大陸である」と述べた教皇は、これは安易な言い回しではなく、ご自分とまたカトリック教会が実際に感じていることと強調、アフリカに対する否定的な見方や、悲観的な分析が、同大陸の現実に歪んだイメージを与えていると指摘した。
教皇は、特にアフリカ大陸を単なる搾取すべき巨大な埋蔵地と見なす、一部の人々の矮小的かつ尊重を欠いたビジョンに厳しく警告、また、ここ数ヶ月アフリカ大陸の各地で表明された、人々の自由への渇望、物質的保証の必要、民族・宗教を越えた調和ある市民生活への意欲にも言及、同大陸に人々の求める自由が尊重され、個人の利益ではなく全体の利益を求める透明な政治を推進し、平和と正義に満ちた社会を構築していく必要を訴えた。
教皇はボニ・ヤイ大統領と個人会談を行なった後、ウィダのサン・ガル神学校を訪問、校内にある故ベルナルディン・ガンティン枢機卿の墓前で祈った。
神学校で司祭・神学生・修道者と祈りの集いを持った後に教皇は、ウィダの大聖堂でシノドス関係司教らを前に、アフリカ・シノドス後の使徒的勧告『アフリチェ・ムヌス』に署名した。
クリスチャントゥデイからのお願い
皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。
人気記事ランキング
-
ロシアの軍事侵攻から3年、在日ウクライナ正教会が祈りの集会 片脚失った負傷兵も参加
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(216)365日24時間、充実した仕事の中 広田信也
-
分け隔てなく聖霊の恵みまで与えられる主 万代栄嗣
-
マイナスをプラスに変える力 菅野直基
-
サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(13)浜辺のテント小屋
-
国家を高める正義 穂森幸一
-
教皇フランシスコ、入院10日目夜は「順調」 前日夕は「重い容体」
-
篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(214)聖書と考える「週末旅の極意2」
-
ワールドミッションレポート(2月24日):ポーランド 険しい地を平らに(2)
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
ロシアの軍事侵攻から3年、在日ウクライナ正教会が祈りの集会 片脚失った負傷兵も参加
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(216)365日24時間、充実した仕事の中 広田信也
-
分け隔てなく聖霊の恵みまで与えられる主 万代栄嗣
-
世界最高齢者は116歳、サッカー好きのブラジル人修道女 長生きの秘訣は?
-
マイナスをプラスに変える力 菅野直基
-
ワールドミッションレポート(2月24日):ポーランド 険しい地を平らに(2)
-
「今、私はクリスチャンです」 ウィキペディア共同創設者がキリスト教に回心
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
「サタン」が聖書を読む理由 ウクライナの最前線から
-
ワールドミッションレポート(2月23日):ポーランド 険しい地を平らに(1)
-
「今、私はクリスチャンです」 ウィキペディア共同創設者がキリスト教に回心
-
「こんな悲惨なミャンマーを見たことはない」 政変から4年、ヤンゴン大司教が来日会見
-
国内最高齢の女性映画監督、山田火砂子さん死去 日本人キリスト者の半生描いた作品多数
-
トランプ米大統領、「反キリスト教的偏見」根絶を目指すタスクフォースなど創設
-
後藤健二さん没後10年、追悼イベントで長女が映像メッセージ 「誇りに思っている」
-
「苦しみ」と「苦しみ」の解決(1)「苦しみ」の原因 三谷和司
-
説教でトランプ米大統領に不法移民らへの「慈悲」求めた聖公会主教、説教の意図語る
-
山梨英和大学、パワハラで学長ら2人を「降任」の懲戒処分
-
神学者トマス・アクィナスの顔、法医学の手法で復元 死因にも新説
-
「新たなケア」と「限界意識のスピリチュアリティー」 宗教学者の島薗進氏が講演