11月5日に行われた米国大統領選挙において「MAGA(Make America Great Again、米国を再び偉大に)」のスローガンを掲げるトランプ氏が、第47代の米国大統領に選出されました。このスローガンは、かつて1979年、レーガン元大統領が最初に用いたものですが、2016年からトランプ氏が受け継ぎ、今回の2024年には、トランプ氏が大統領に返り咲く大きなムーブメントになりました。
今回、このMAGAムーブメントが広く受け入れられた背景には、過去4年間続いた民主党政権において、富裕層や大企業の支持を得た極端なグローバル化が進み、本来、労働者階級のために存在した民主党が、米国の多くの労働者に見放されたことを示しています。
民主党の政策への反発
この4年間、米国は世界各地で起こる紛争に対し、同盟国を支える巨額の軍事支援を行ってきました。結果として紛争は拡大し、多くの兵士や一般市民が犠牲になりました。
また国内では、多額の資金が軍産複合体に流れたためインフレが進み、国民の所得格差が拡大しました。さらに、マイノリティーを大切にする政策から、かつてないほどの不法な移民を受け入れ、米国各地の治安が悪化しました。
これらは、米国を中心とした統一世界(グローバル化)を目指す民主党の政策が、米国だけでなく、世界各地の実態に寄り添っていないことを示しています。
このような事態に、米国の労働者階級が反発しただけでなく、かつて民主党を支えていたロバート・ケネディ・ジュニア氏(ケネディー元大統領のおい)やテスラ創業者のイーロン・マスク氏などが共和党のトランプ氏を強力に支えるようになったことで、トランプ氏の当選が確実なものになりました。
自国優先主義こそが他国を顧みる力になる
MAGAムーブメントは、米国第一主義とも呼ばれ、他国よりも自国の利益を優先させることから、トランプ氏を、相手を顧みないわがままな独裁者のように伝えるマスコミの記事が数多く見られます。
マスコミがこのような報道をするのは、マスコミを支える主な富裕層や起業家たちが、民主党を支持していることが背景にあります。
しかし、実際にトランプ氏の言動を追ってみると、自国の立場を優先しながら他国の立場も理解し、熱心に交渉する姿勢が際立っています。大統領選挙の結果が判明した翌日から、彼は他国の指導者と立場の違いを越えて電話で会談し、既に大きな成果が現れ始めています。
MAGAムーブメントは今後、まず自分自身、そして家族、国民、国家を大切にすることを、国内だけでなく他国にも求めるようになるでしょう。結果として、各国において互いを顧みる力が育まれ、世界に拡大した紛争が沈静化に向かうと思います。自国を愛する者こそが他国の隣人になれることを示してくれるでしょう。
自国を愛する者こそが他国の隣人になれる
あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。(マタイの福音書22章39節)
この聖書箇所は隣人を愛することを勧めていますが、その前提として「自分自身のように」と記されています。神様は、隣人を愛する前提として、自分自身を大切にすることを求めています。これは当然のことですが、現代社会の歪みは、神様に愛されている自分自身を見失う傾向があるのです。
わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。(イザヤ書43章4節)
神様は、ひとり子イエス・キリストをこの世に送り、取るに足らない私たちを「高価で尊い」と宣言してくださり、私たちを限りなく愛してくださっています。
この御子のうちにあって、私たちは、贖(あがな)い、すなわち罪の赦(ゆる)しを得ています。(コロサイ人への手紙1章14節)
イエス・キリストは、私たちの罪の身代わりとして十字架にかかり、私たちの罪を赦し、永遠のいのちの保証を与えてくださいました。
これほど神様に愛されているのですから、私たちが自分自身を大切にするのは当然のことです。隣人を愛する力は、自分自身を大切にし、身近な人々を愛することの延長に、神様が備えてくださるのです。
MAGAムーブメントへの期待
MAGAムーブメントは、神様に愛されていることを米国民に思い起こさせ、信仰に基づく愛国心を育てることになるでしょう。そして、その影響は全世界に及び、日本においても、多くの人が神様の愛に気付き、家族、国民、国家を大切にするようになることを期待しています。
やがて、世界のそれぞれの国民が、愛国心にあふれて自国を大切にするようになれば、隣国を愛する力が備えられ、お互いの立場を尊重するようになるでしょう。キリストの愛が世界を覆い、平和な秩序ある時代が訪れることを心より願っています。
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