今回のトルコ旅行の目的はシリア語の学びで、現地で学ぶことができ、大変良かった。シリア正教会の指導者の使用する文法書と、欧米で発行している文法書とでは、読みに若干の違いがあり、シリア正教会では1番目をオラフ、6番目はヴァヴと発音し、ワウ(W)と発音しない。ヘブル語でも現代読みはVで、私が昔学んだ読みはWであった。現代読みと古代読みとの違いといえよう。
東方シリア正教会におけるシリア語の学び
ミデヤットにある聖ガブリエル修道院(西暦397年)
玄関前のシリア語。壁に彫られていた2カ所のシリア語を和訳した。
お手洗いの壁に書かれていたシリア語を和訳。
年代についてのシリア語の和訳。
古代シリア語は一説に、シャンルウルファで2世紀ごろ、東方教会聖徒たちによってアラム語から作られたといわれていて、この地から東方はペルシアから中国へ、西方はトルコへと発展していった。旧約聖書はヘブル語からペシト(簡潔的な)訳に、新約はギリシア語から同様のものに訳されたといわれている。
壁面のシリア文字は、著者が2023年10月に当地を訪問したときに撮影したもの。
※ 参考文献
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教碑の風景』(シリーズ「ふるさと春日井学」3、三恵社、2022年)
【著者の最新刊】
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
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