仕事や勉強にも期限があり、その結果として大成功を収めることもあれば、反対に失敗することもあります。
私たちの限られた人生も同じです。幸いなことに、聖書が私たちに語る福音は、私たちの出生から死に至るまで、人生全体に神の祝福をもたらします。
1. 罪と地獄
神は、罪を犯した御使いたちを、容赦せず、地獄に引き渡し、さばきの時まで暗やみの穴の中に閉じ込めてしまわれました。(2ペテロ2:4)
人類における最初の罪といえば、創世記にあるアダムとエバが犯した罪です。しかし、アダムとエバによる罪の前に、罪を犯した者たちがいたのです。
「さて、七十人が喜んで帰って来て、こう言った。『主よ。あなたの御名を使うと、悪霊どもでさえ、私たちに服従します。』イエスは言われた。『わたしが見ていると、サタンが、いなずまのように天から落ちました』」(ルカ10:17、18)
イエスが弟子の中から特別に選んだ70人が、伝道活動から帰ってきたとき、イエスの御名で悪霊が出ていったことを報告し、大喜びしている記事です。
イエスは大昔、天にいたとき、悪魔、サタンが高慢の罪により、天から地上に落とされたのを見ました。だから、イエスの御名により悪霊どもに命じれば、天の最高権威者に悪霊は従うのです。
「さて、天に戦いが起こって、ミカエルと彼の使いたちは、竜と戦った。それで、竜とその使いたちは応戦したが、勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。こうして、この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれて、全世界を惑わす、あの古い蛇は投げ落とされた。彼は地上に投げ落とされ、彼の使いどもも彼とともに投げ落とされた」(黙示録12:7〜9)
天地創造の初めの頃、天にいた御使いたちの間に戦いが起こり、神を裏切った悪魔、サタンとその使いたちは天から地に落とされました。天から落とされた御使いたちの数は、全御使いの3分の1に及びます(黙示録12:4)。
悪魔、サタンと悪霊どもは、元は神と人とに仕えるために造られた、天使長とそれに仕える天使たちです。
「暁の子、明けの明星よ。どうしてあなたは天から落ちたのか。・・・あなたは心の中で言った。『私は天に上ろう。神の星々のはるか上に私の王座を上げ・・・いと高き方のようになろう』」(イザヤ14:12〜14)
明けの明星とまで呼ばれた美しい天使長は、その使いたちと共に高慢になりました。天使長は天使たちと人間の王になり、神の一人のようになろうと計画を立てました。それで、神に忠実な天使たちとの間で戦いが起こったのです。
そして、地上に落とされた悪魔、サタンは、アダムとエバをだまし、2人は罪を犯しました。2人はエデンの園を追放され、死がやってきました。
2. 不法な者と義人
また、昔の世界を赦(ゆる)さず、義を宣(の)べ伝えたノアたち八人の者を保護し、不敬虔な世界に洪水を起こされました。また、ソドムとゴモラの町を破滅に定めて灰にし、以後の不敬虔な者へのみせしめとされました。また、無節操な者たちの好色なふるまいによって悩まされていた義人ロトを救い出されました。というのは、この義人は、彼らの間に住んでいましたが、不法な行いを見聞きして、日々その正しい心を痛めていたからです。(2ペテロ2:5〜8)
アダムとエバが罪を犯し、エデンから追放された後、人は地上に増え広がり、欲望のままに生きたので、不敬虔な世になっていました。
そこで神はその世を赦さず、水で裁くことにしました。義人ノアとその家族に100年かけて箱舟を造らせ、悔い改めない不敬虔な世を洪水で裁きました。
神はアブラハムに、神の民が星の数のように増えると約束し、そのおいのロトをも祝福し、肥沃な土地ソドムに住まわせました。
しかしソドムの人々はその豊かさの故に、欲望のままに好色な生活をしていました。神はソドムを火で裁くことにしましたが、ロトの正しい心により、神はロトを火の裁きから救い出しました。
3. 救い
これらのことでわかるように、主は、敬虔な者たちを誘惑から救い出し、不義な者どもを、さばきの日まで、懲罰のもとに置くことを心得ておられるのです。(2ペテロ2:9)
神は、敬虔な者たちを救い出し、不敬虔な者どもを滅ぼすことで、私たちに悔い改めを迫っています。神の裁きに対する恐れを起こさせ、私たちを裁きの日まで、悔い改めに導いているのです。
まとめ
御使いたちの中に戦いが起こり、高慢の罪により、悪魔、サタンとその使いたちは、地上に落とされました。アダムとエバは、その悪魔、サタンにだまされて罪を犯し、エデンの園を追放され、死がやってきました。
神は、不義で不敬虔な者たちを滅ぼし、正しい心の者たちを救いました。ノアの時代は、水で不義なる者を滅ぼし、ロトの時代は、火でソドムの不敬虔な者たちを滅ぼしました。
今の時代にも神は、正しい心の者たちを悪魔、サタンの誘惑から救い、不義で不敬虔な者たちを火のもとに置き、裁きの日に滅ぼします。
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