世界的なネットワークを持つヒルソング教会は18日、創設者のブライアン・ヒューストン牧師が、当時のスタッフに「不適切」なショートメッセージを送ったり、面識のない女性がいるホテルの部屋に入ったりしたという2つの疑惑で調査を受けたことを謝罪した。
同教会の国際理事会は声明(英語)で、ヒューストン牧師に「重大な背信行為」があったとし、2つの事案のうち1件は、同教会の牧師行動規範に違反するものだったとした。
1つ目の事案は、ヒューストン牧師が約10年前、当時のスタッフに「不適切」なショートメッセージを送ったというもの。スタッフはその後、退職した。スタッフの身元は明らかにされていない。
声明によると、この事案はヒューストン牧師が睡眠薬依存に陥り治療を受けていた時期に起こったもので、スタッフにはすぐに謝罪したという。
「ブライアン牧師は当時、睡眠薬の影響を受け依存状態にありました。すぐに本人に謝罪しました。また、睡眠薬依存を解消するため、専門家の助けを受けられるよう、ブライアン牧師と緊密に協力し、成功することができました。私たちはこの元スタッフにあらためて謝罪し、必要であればさらなる支援を提供する機会を持ちたいと考えています」
2つ目の事案は、ヒューストン牧師が2019年、面識のない女性がいるホテルの部屋に入り込んだというもの。女性はその後、ささげた献金の返金を求め、同教会はこれに応じた。ヒューストン牧師は「深く反省」しており、返金によって生じた損失分を負担することを強く申し出たという。声明は当時の状況について、調査に基づき次のように述べている。
「綿密な調査の結果、ブライアン牧師はヒルソング・カンファレンスのセッション後、抗不安薬を規定量以上摂取し、アルコールも合わせて摂取したことで、自分の状況を正しく認識できない状態に陥ったことが判明しました。この結果、彼は自分の部屋ではないホテルの部屋のドアをノックし、その部屋に入り、その部屋の女性と一緒に過ごすことになりました」
「国際理事会が任命した規範調査チームによる調査の結果、苦情の内容すべてを認めることはできませんでしたが、重要な要素は認められ、その行為は重大な懸念事項であることが判明しました。最終的に国際理事会は、ブライアン牧師がヒルソング教会の牧師行動規範に違反していると判断しました。また私たちは、当時の状況がどうであれ、この女性がブライアン牧師によってもたらされた状況に置かれる必要性がなかったことも認めます」
2019年の事案に関する調査の後、ヒューストン牧師は「一定期間、指導者の立場から退くことを含む具体的な行動」を取ることに同意したという。しかし声明は、ヒューストン牧師が「合意したすべての措置を取らなかったため、国際理事会が21年末にさらなる措置を取ることになりました」としている。
声明は、措置の具体的な内容は明らかにしていないが、ヒューストン牧師は翌22年1月、父親の児童性的虐待を隠蔽(いんぺい)した容疑で起訴されたことを受け、訴訟に専念するため、22年末まで国際主任牧師の立場から退くことを発表している。
声明は、「ブライアン牧師の行為によって影響を受けた人々に心から謝罪し、私たちが提供できるいかなる追加的支援にも応じることを約束します」と強調。また、主任牧師に大きな権限を委ねるこれまでのガバナンスの見直しにも言及。外部識者の助言も求めつつ、「私たちは、改善すべき点があることを認識しており、そのために誠実かつ透明性をもって取り組んでいきます」としている。