ケニアの無神論団体の幹部がイエス・キリストへの信仰を見いだし、指導的立場から退いたことを、無神論団体自らが発表した。
ケニア無神論者協会は5月30日、ツイッター(英語)で、同協会のセス・マヒガ幹事が辞任したと発表。「セスの辞任の理由は、彼がイエス・キリストを見いだし、ケニアにおける無神論の促進に興味がなくなったからです」と説明した。
同協会のハリソン・ムミア会長は声明でマヒガ氏に敬意を表し、「セスが新たに見いだしたイエス・キリストとの関係において、最高の結果が得られることを願います」「この1年半、献身的に協会のために働いてくれた彼に感謝します」と記した。
しかし、自身のツイッター(英語)には、「ケニア無神論者協会にとって悲しい日です。私たちの幹事であるセス・マヒガが、イエスを見つけたと言って辞任しました(笑)」と、声明とは異なったトーンの投稿をした。
このマヒガ氏を笑い物にするようなツイートに対し、ケニアの元最高裁長官であるウィリー・ムトゥンガ氏はツイッター(英語)で、「わが国の憲法第32条1項は次のように規定しています。『すべての人は、良心、宗教、思想、信条、意見の自由の権利を有する』と。この規定は笑い事ではありません」と応じた。
ケニア無神論者協会は31日には、ライフ・チャーチ・インターナショナル・ナイロビの礼拝出席者を前に、マヒガ氏が同協会からの辞任を発表する動画(英語)をツイッターに投稿した。マヒガ氏はこの中で、「私は人生の中で幾つかの困難を経験し、(ケニア無神論者協会の)幹事を辞めることにしました。だから、ここに来れてとてもうれしいです」と語っている。
ユーチューブに投稿されたより長い動画(英語)には、牧師がマヒガ氏を「兄弟」と呼び、「イエスは主である」と言ってひざまずくように求め、マヒガ氏が講壇の前に出てひざまずくと、礼拝出席者から拍手が沸き起こる様子が映っている。
「暗闇の中にいるすべての人々と、神はいないと言っているすべての無神論者のために祈ってください」。牧師は会衆にそう呼び掛け、「イエスの力ある御名の下に、彼らが今どこにいようとも、神の恵みが届きますように」と願った。
ケニア無神論者協会はこの日、エマ・シソカ氏が新幹事に就任したことを発表した。
マヒガ氏の他にも、かつて無神論だった著名人が自らの改宗ストーリーを語ることは多くある。俳優トム・ハンクスの息子であるチェット・ハンクスは、今年2月に出演したポッドキャストの番組で、17歳の時に参加したキャンプで神と出会う体験をし、無神論から変えられたことを詳しく語っている(関連記事:「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る)。
また、米シカゴ・トリビューン紙の記者であったリー・ストロベル氏は、無神論からキリスト教に改宗した経緯を書籍にまとめ、『ナザレのイエスは神の子か?』(原題:The Case for Christ)として出版している。ストロベル氏は初め、イエス・キリストの存在を否定しようとしたがそれができず、クリスチャンになったという。2017年には、ストロベル氏の書籍を原作とした映画も公開されている。