オーストラリアを拠点にする国際的なメガチャーチ「ヒルソング教会」が、教会の公式ツイッターにドナルド・トランプ米大統領を「いじめっ子」と表現する投稿をし、謝罪した。教会のスタッフが、個人としてのコメントを誤って投稿してしまったという。
問題の投稿は、米現地時間9月29日夜(日本時間30日午前)に行われた米大統領選のテレビ討論会に関するもの。現職で共和党候補のトランプ氏と、民主党候補のジョー・バイデン氏が1時間半にわたり討論する最初の機会だったが、互いに非難の応酬に終始する形となった。
この討論会が行われている最中、ヒルソング教会のツイッターに「トランプのマイクを消せないのか!まるでいじめっ子だ。悪いけど、尊敬なんてできない。2020年大統領討論会」というコメントが投稿された。投稿はすぐに削除されたが、ヒルソング教会のツイッターは89万人近いフォロワー(読者)がおり、投稿のキャプチャーがすぐに拡散した。
グローバル・ビジョン聖書教会(米テネシー州)のグレッグ・ロック牧師は、自身のツイッター(英語)で、投稿のキャプチャーを添えて次のようにコメントした。
「ヒルソング教会様、この投稿はすぐに削除されました。注意してください。ホワイトハウスで(トランプ氏による)共和党の大統領候補指名受諾演説が行われた際、私はヒューストン牧師の隣に座らせていただきました。御教会の主任牧師はひそかにトランプ氏を支持しているのです」
この投稿が削除された後、ヒルソング教会はツイッター(英語)で次のように説明した上で謝罪した。
「スタッフが今朝、米大統領選討論会に関する個人的なコメントを、個人のアカウントに投稿しようとしたところ、誤ってこのアカウントに投稿してしまいました。ヒルソング教会は党派的な政治についてコメントはしないとともに、(この投稿を)謝罪します。これらのコメントは、ヒルソング教会の見解を代表するものではありません」
ヒューストン牧師は昨年12月、キリスト教の指導者らを集めてホワイトハウスで行われた祈り会にも参加している。自身のインスタグラムにホワイトハウスの前で撮影した写真を投稿し、「私にとって、これは政治に関することではありません。立場に関するものです。米国の大統領のような重要な人物が、私たちがささげるすべての祈りを用いることができるのです」と語っていた(関連記事:ヒルソング教会のヒューストン牧師も参加、ホワイトハウスでキリスト教関係者が祈り)。
29日の討論会は「史上最もカオスな討論会」などと評されているものの、米調査会社ニールセンの調べでは、テレビの視聴者は推計7310万人に上り、過去3番目に多い結果となった。一方、討論会の主催団体は、非難の応酬になってしまったことを踏まえ、新たな討論の進め方を検討するとしている。
トランプ、バイデンの両大統領候補による討論会は今後、10月15日と22日の計2回が予定されている。この他、マイク・ペンス(共和党、現職)、カマラ・ハリス(民主党、上院議員)の両副大統領候補による討論会も7日(いずれも現地時間)に行われる。