多忙による、夫婦のコミュニケーション不足によって生じた「不倫疑惑」騒動。大げんかの末、夫Aから放たれた非情な言葉にひどく傷付いた私は、家を出てしまいました。しかし、身を置いた先は、自分の実家ではなくAの実家でした。義母はよき理解者であり、A抜きで2人で出掛けるくらい仲が良かったのです。
電話で事情を話すと、「とにかくいらっしゃい」と言ってくれたのです。義母は私の気持ちを察し、慰め、励ましてくださいました。1週間ほど滞在し、義母とたくさん話しているうちに、私の心も落ち着いて冷静な判断ができるようになっていきました。義母の執り成しで、「不倫は誤解」ということにも納得し、Aが私を迎えに来て、とりあえず帰ることになりました。
しかし、ギクシャクした空気は消えず、状況は次第に「離婚へ」と流れ始めました。私は「こんなことで離婚していいのか・・・」と、とても悩み苦しみましたが、その時、ふと「X神」のことを思い出したのです。「多忙にかまけて足が遠のいてしまっていたから、こんな事態になってしまったのだ」と反省(しなくてよかったのですが・・・)、久々に「X」教祖・Y氏の所へ出向きました。
熱心な信者たちの中には、「虫が良すぎる」と思う人もいたと思いますが、Y氏は、「あらぁ、お久しぶり~、元気でしたか~?」と、優しく迎えてくれたのです。私の心は、また再びY氏に引き寄せられてしまいました。
そこで「離婚の危機」を伝えると、「お互いの先祖のお墓参りに、2人で行ってきなさい。ご先祖様が助けてくださるから」と勧められました。「以前、離婚危機になった信者夫妻が、2人で墓参後に和解した」という話も聞きました。確かに、墓参りもしばらく行けていなかったので、「それが原因だったのか・・・」と、ますます反省してしまいました。
しかし、「最悪な関係の中、果たして、一緒に行ってくれるだろうか?」と心配すると、「行けるように“波動”を送るから頑張って!」と言われ、私はその言葉を信じました。帰宅後、思い切ってAに、「最後のお願いとして、一緒にお墓参りに行ってほしい」と頼みました。すると、ぶぜんとしながらも、Aは「コーディネートをすべて私がする」という条件で応じてくれました。
この手の作業は苦手でしたが、この時ばかりは頑張りました。旅行会社のスタッフさんと笑顔で段取りながらも、心の中は「憂いと不安」でいっぱいで「どうか、この墓参旅行で仲直りができますように」と「X神」に祈りながら行いました。
旅は、九州から四国へと巡るものでした。旅行中、ほとんど会話の無いまま、それぞれの先祖の墓参を、粛々とこなしていきました。その数は、なんと6カ所!私たちは、完全に「X神」の意のままに動かされていたのです。そして、いよいよ旅の終わりが近づいた頃・・・Aが、「また、こうやって2人で旅行できるといいな」と言ったのです!その言葉を聞いた瞬間、私の心にパァーッと光が差し込み、うれしい思いでいっぱいになりました。
「神様(X神)は素晴らしい!お墓参りの力はすごい!」と、また一段と信じてしまったのです。当時の私は、「癒やしや奇跡を起こすのは、すべて“真”の神様だ!」と信じていました。この考えが、後に更なる大きな問題を引き起こし、最悪な事態へと私を落としていくとも知らずに・・・ 。
◇