テレビ朝日「お昼の独占!女の60分」で、「バイソン木村」(全日本女子プロレス)と戦い、全身傷だらけとなるも、無事生還した私でしたが・・・その傷も癒えぬ間に、次に与えられた挑戦が、なんと「トライアスロン」でした! プロデューサーに、「なかなか根性がある子だ!」と、気に入られてしまったからでした(^◇^;)。しかも、大会は1週間後! ほぼ満身創痍(そうい)のまま、大会地、鹿児島県指宿市へと向かいました。
トライアスロンなんて1度も体験したことがなく、トレーニングも受けていませんでした。にもかかわらず、「水泳1・5キロ、自転車40キロ、ジョギング10キロ、合計51・5キロを完走せよ!」というミッションが与えられたのです(:*▽*;)。不安を感じる私に、ディレクターは「海は遠浅だから、立ち止まりながら泳げるし、トライアスロン用自転車も、前日に指導を受ければ、すぐ乗れるから大丈夫だよ」と言いました・・・。
しかし!実際は水深4メートル! トライアスロン用自転車は、ペダルと足がベルトで固定されるため、うまく止まれず転倒の連続! やむなく、現地スタッフの通勤用マウンテンバイクで出場することになったのです。未経験で満身創痍な上、足の付かぬ深海を泳ぎ、競技自転車より重い自転車で出場しなければならない・・・。プロレスに続き、「アタッカー」の過酷さを思い知りました。
そして、大会本番!! 一斉に選手の皆さんと同時に海に飛び込んだ私! 最初はクロールで頑張って泳いだものの、人混みと波の抵抗ですぐさまギブアップ! しかし、足が付かずアップアップ!!「疲れたらボートにつかまれ」と言っていたディレクターを乗せた撮影隊の船は、はるか遠くに!! なんとか背泳ぎと、時々浮きながらを繰り返し進んで行く・・・。前方が見えず、同じ背泳ぎをしていたおじさんに乗り上げるハプニングも(;*0*;)。
ようやく岸にたどり着いた瞬間! 足がもつれてまともに歩けない! 水泳で無駄に足をバタつかせたせいで痺れてしまったのです! 後で経験者に聞いたら、自転車のために、水泳は主に手だけで泳ぐのがコツだそうで・・・。そんなことを知らなかった私は、ワナワナ状態の足を引きずり、やっとの思いで自転車をスタートさせました。
ほとんど平坦な道はなく、何度も「心臓破りの上り坂」を走りました。漕いでいるうちにお尻の筋肉が痛み出し、まともにサドルに座れない状態になって、引いて歩くこともありました。そのような状況にあっても、沿道で応援してくださる方たちの「頑張ってね~!」の熱いエールに必死で笑顔を作り応えました。そんな私を、車で並走しながら、涼しい顔で撮影しているディレクターに、怒りさえ感じるときがありました。
私が自転車のゴール地点にたどり着いたとき、すでにほとんどすべての選手は、慰労会が開かれるホテルへと行ってしまった後でした!「私1人だけで走るのか・・・」。切なくてぼうぜんとしていたとき、ディレクターが「佐伯、やめる? キツかったらやめてもいいぞ」と言うではありませんか!!「ここまで来て、やめられる訳ないでしょ!・・・と言うか、やめさせる気なんてないくせに!!」。ディレクターの問い掛けに応えず、無言で走り出しました。
皆が慰労会でおいしいビールを飲んでいるというのに、私は1人孤独に10キロの道を、ひたすら無言で走っていたのです。大会はすでに終わり、後片付けもされ、沿道にはもう、人もいませんでした。すると、途中から1人のおじさんがやって来て、一緒に走ってくださったのです! バイク(自転車)の審判をされていたMさんでした。Mさんからハイビスカスの花を頂き、それを手に一緒に走りました。
そして、街に入ると、商店街の皆さんがたくさん応援してくださったのです! 最後の選手たちを乗せたバスにも出会い、力強い応援を頂きました!!
再び、たくさんの応援に助けられ、力をもらった私は、随分と時間はかかりましたが、見事完走することができたのです!! これもきっと、皆さんを通して「天のお父様」が励ましてくださったのだ・・・「イエス様」が一緒に走ってくださったのだ・・・今は、そう思います。
しかし・・・結局、この時もX神のおかげだと信じた私は、その後、新たな窮地に立たされるのです!!(つづく)
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