アメリカ合衆国長老教会=PC(USA)が同性婚受け入れを決めたことで、ニューヨーク州にある小さな教会が、同教派を離脱することを決めた。同性婚容認後、初の離脱となる。
離脱を決めたのはブライトン長老教会。約200年の歴史を持つ同州ロチェスターにある教会だが、3月22日、PC(USA)のジェネシーバレー中会を離脱することを決定した。PC(USA)は、同17日に同性婚容認を正式に可決したばかりだった(関連記事:米最大の長老派教会、結婚の定義変更を正式決定 同性婚を容認)。
ブライトン長老教会のスポークスパーソンで、主任牧師夫人のケリー・E・ルディ氏は取材に対し、離脱の決定は「突然のことではない」と話した。「私たちは2年にわたり、このことを祈りをもって検討してきました。そして公的には、この検討を2014年半ばにスタートしていました」とルディ氏は説明した。
「私たちが離脱する理由の中心は、PC(USA)の聖書の解釈です。私たちは、聖書の意味とその目的は、現在の文化に合わせるために変更されるべきではないと信じています」
PC(USA)は昨年6月の総会で、結婚の定義を「一人の男性と一人の女性」から「2人、伝統的には一人の男性と一人の女性」に修正することを可決した。ただし、正式な決定には、PC(USA)を構成する171中会の過半数の承認を必要としていた。
3月第2週の時点で、79中会が賛成、37中会が反対であったが、同17日にニュージャージー州のパリセーズ中会が承認したことで、承認中会数が86と半数を超え正式に決定した。
ジェネシーバレー中会には60以上の教会が所属しており、結婚の定義変更に賛成票を投じた中会の一つだ。同中会事務局長のエイミー・フォウラー牧師は取材に対し、ブライトン長老教会は離脱のための「最初の手続きを終えたところ」と話した。「3月17日以降、離脱の手続きに入ることを申し出た他の教会はありません」とフォウラー牧師は話している。
ルディ氏は今後について、ブライトン長老教会はまだ所属する教派を決めていないと説明している。しかし所属する場合は、「私たちの神学と、リーダーシップにおける女性についての価値観の両方が合致する」ところになるだろうと話している。
PC(USA)が、同性愛者の受け入れにおいて議論を呼んだのは、これが初めてではない。
2010年には、パートナーのいる同性愛者に按手礼を授けることを認める決定をし、150以上の教会が離脱した。離脱教会は後に、より保守的な神学を持つ「エバンジェリカル・カバナント・オーダー・オブ・プレスビテリアンズ」という教派を組織した。
今回、結婚の定義を修正し、同性婚を認めたことを受け、米最大の長老派教会であるPC(USA)から、2010年時と同様の離脱が起こると推測する向きもある。