同性結婚について
ヒルソング教会は世界中に12の教会を持ち、ロサンゼルスとニューヨークにも教会を持っている。どちらも多様で進歩的であり、同性結婚が法律で認められている都市だ。
特に性の問題に関して顕著なように、世俗の価値観、意見が伝統的なキリスト教的教義と衝突する中で、ヒルソング教会はどのように現実世界と関わっていこうとしているのかと問われ、ヒューストン牧師は確かに多くの困難があると語った。
「教会のメッセージは神聖なものであるが、現実世界と関わり続けるためには方法を変える必要があると思います」と、ヒューストン牧師。「それは大変なことです。関わり続けることは大変なことなのです。例えば、教会にとって恐らく今最大の問題、同性結婚が合法となったことと、教会が何世代にもわたって神の言葉だと信じて守ってきた信念の問題です。多くの人々にとって教会が現実世界とは関わりのない、社会ののけ者のように見え始めています。関わり続けることは大変なことです。現代風の賛美歌を歌ったり、壁を新しく塗り替えるだけではダメなんです」
米ニューヨークタイムズ紙の記者に自身の立場をはっきりするように問われて、ヒューストン牧師は、自身にとって同性愛の問題は「重要過ぎて、イエスかノーかで簡単に答えられるような問題ではない」と強調した。これは、カール・レンツ氏が以前行われたインタビューで語った意見に同意したものだ。
ヒルソング教会の資金運営について
RNSの記者はさらに、ヒルソング教会の富と同教会の「貧しい人々に福音を伝える」という理念に関して、どう折り合いをつけているのかと問い正した。これにはレンツ氏が素早く返答し、この夜開始したカンファレンスによって「何百万ドルものお金が入ってくるのだろう」というRNSの憶測に反論した。米クリスチャンポスト紙としては、今年のヒルソング・カンファレンスのチケット料金を確認することはできなかったが、2013年にロサンゼルスで行われたカンファレンスのチケット料金は129ドル(約1万3800円)から189ドル(約2万200円)に値上がりしていた。
レンツ氏は、ヒルソング教会は「毎週貧しい人々に福音を伝え」ており、カンファレンスでも同じだと主張。ジョエル・ヒューストン氏もレンツ氏と口を揃えて、教会のお金は礼拝をささげる場所の家賃や、地元及び海外へのアウトリーチ活動、スタッフの給料などの形で「教会に還元される」のだと主張した。
オンラインで閲覧可能な2012年の年次報告では、ヒルソング教会の寄付金の総額は1316万8千677ドル(約14億111万3127円)だった。教会の財政報告――これもオンラインで閲覧可能――には、教会は「高水準のアカウンタビリティと財産管理を行っており、教会員は予約すれば教会の監査結果をチェックすることができる」と記されている。
ヒルソング教会は1983年、ブライアン・ヒューストン牧師とボビー夫人によって、信者数70人足らずの日曜夜のアウトリーチ活動として創設された。今やヨーロッパ、アフリカ、米国に12の教会を持つペンテコステ派の教会となり、毎週3万人の信者を迎えていると言われる。長年オーストラリアで強い勢力を誇ったが、最近では「ヒルソング・ユナイテッド」などの賛美チームが制作するワーシップ・ミュージックによって、グローバル規模の支持者を獲得している。
毎年開催されるヒルソング・カンファレンスは、2013年に初めて米国(ニューヨークとロサンゼルス)で開かれた。今年のニューヨークでのカンファレンスは、何週間も前にチケットが売り切れ、オープニングナイトには5300人の出席者があったと、関係者は伝えている。
■ ヒルソング教会ニューヨーク記者会見:(1)(2)