■ キリストとの出会い、殺害者をゆるせないことへの葛藤
センギマナさんとその姉弟は家族を殺害された後、長い間、森やバリケード、軍隊の警備を通って逃げ続け、間一髪のところを何度も生き延びたのだという。
センギマナさんは結局孤児院に入れられ、そこで初めてオペレーション・クリスマス・チャイルドの活動に出会った。オペレーション・クリスマス・チャイルドは、人道支援団体サマリタンズ・パースのアウトリーチ活動で、1993年以来100カ国以上の子ども達に100万個以上の贈り物の入った箱を届けてきた。贈り物の詰まった箱をもらったことは、センギマナさんに久々の希望を与えてくれたのだという。
1年後、ンセンギマナさんはアフリカン・チルドレンズ・クワイアという合唱隊と共に旅行する機会を得た。まずウガンダに行って、英語を勉強し、聖書を読み始めた。その後合唱隊と共にアメリカを2年半旅し、2003年にミネソタ州のある家族と知り合いになり、彼らのおかげでアメリカに戻って勉学を続けることができた。昨年、彼はミネソタ州のバイブルカレッジで学位を取得した。
「アメリカに戻って来たときは、もっとずっと楽でした。家族的な環境で暮らすことができたので全然違いましたし、そのコミュニティの中の愛や親切に触れて、本当に謙虚な気持ちになりました。あれこそ本当の恵みでした」とセンギマナさん。
キリスト教の信仰が深まるにつれて、彼が長い間葛藤したことの一つは、ルワンダで彼の家族を殺害した人々をゆるすことだった。
「合唱隊と旅をしていたとき、私の傷を癒すためにたくさんの人々が助けてくれました。私はいつも怒りと苦々しさを抱えて、束縛されて生きていたからです。ウガンダに住んで、英語を学んで、キリストを知るようになってから、聖書を読み始め、初めて神様が私の人生に計画を持っているということに気付きました。そしてイエス・キリストの愛が見えるようになり、キリストがこの世界に来られ、私たち皆一人ひとりを愛しているということを理解するようになったのです」とセンギマナさんは証しする。
「ですが、神様が私の叔父や祖母を殺した者達をも愛しているということは受け入れたくありませんでした。だから長い間そのことに捕らわれた人生を生きていました」
この3月、センギマナさんはオペレーション・クリスマス・チャイルドのインターンシップを始め、自分が育った孤児院で贈り物の入った箱を子ども達に配るためルワンダに行った際、彼の叔父を殺害し、今は監獄に入っている男と対面する機会を得た。
男は最初、センギマナさんのことを覚えておらず、彼がなぜ自分を訪ねてきたのかも分からなかったという。しかし、センギマナさんは彼と共に祈った。この再会の様子はサマリタンズ・パースのビデオで見ることができる。
センギマナさんは、この男の心に希望と愛の種を蒔くことができたことに感謝しているという。「神様が望むように彼の心をお使いになる」(続く:驚くほどの回復と和解、贈物を子ども達へ)