【CJC=東京】キューバ政府は12月23日、同国内の受刑者のうち高齢者や女性ら2900人以上に恩赦を実施、数日中に釈放すると発表した。2012年3月に教皇べネディクト16世の訪問を控え、「革命の力と寛大さ」を示すのも目的の一つとしている。殺人などの凶悪犯、スパイやテロなどの罪での服役囚は含まれないが、一部「国家の安全に対する罪を犯した者を含む」として、政治犯を含むことを示唆した。
ラウル・カストロ国家評議会議長は、受刑者の家族や宗教団体からの「数多い要望」を受け、人道的な措置として釈放を決めたと述べた。
カストロ議長が国会(人民権力全国議会)で語ったところによると、25カ国、86人の外国人受刑者も釈放される。ただ米ワシントンのキューバ利益代表部によれば、反体制派にインターネット接続のための衛星通信装置を提供したとして2009年に収監された米国人アラン・グロス氏は入っていない。グロス氏は国家の安全に対する罪で禁錮15年を言い渡されている。