米国のテレビ番組調査団体「ペアレンツ・テレビジョン・カウンシル(PTC)」の調べによると、MTVの人気リアリティー番組に出演している女性たちは女性視聴者に自らの名誉を貶めるメッセージを発信しているという。
PTC代表のティム・ウィンター氏は声明文の中で、「何年も男女の平等について追求し続けており、今日の調査結果ではそのことについての美徳も見られたが、一方でやはり『女性』について大いに歪められた偏見がある」と述べた。さらに、「男性と比べて、女性は自身や他の女性のことを遥かに多く中傷していることが分かった。10代をターゲットにしたリアリティー番組では、若い女性たちが過度に否定的な発言をする『権限を与える』以上のことを行っている」とも述べている。
このほど発表された調査結果は「ジャージー・ショア」や「リアル・ワールド」「16・アンド・プレグナント」「ティーン・マム2」の4つの番組を分析したもの。いずれも、ケーブルチャンネルで今年放送された12歳から17歳の若物向けの人気番組だった。
調査結果によると、番組に出演している女性たちは自身に関して出演時間のわずか24パーセントしか肯定的に語っておらず、また全体での肯定的な発言は22パーセントだけだった。
4つの番組の中で否定的な発言の47パーセントと性的なことの59パーセントは「ジャージー・ショア」が占めた。全番組中、性行為の経験者同士の対談の88パーセントが性行為やそれに及ぶまでの準備に焦点を当てた議論となっており、性感染症や貞節、避妊薬のようなトピックスはわずか4パーセントにとどまった。
PTCのコミュニケーションと公教育ディレクターのメリッサ・ヘンソン氏はクリスチャンポスト紙のインタビューで、このようなリアリティー番組は少女や若い女性視聴者たちにとって本質的なことなのだという印象を受けたと説明した。
ヘンソン氏は「私はこれらの番組が、少女たちが自分自身の価値を見出せず、非常に否定的になっている雰囲気を形成する一因となっていると思う。出演している女性たちは人としての秩序が低下してきている」と語った。
番組に出演している男性たちは、自分自身や別の男性に対して肯定的ではなかったとしても、「リアル・ワールド」を除いて中立的な言葉を使用していることが分かった。一方、出演女性たちは肯定的ではない場合、自分や他の女性たちを中傷する言葉を使用しているという。
また、番組で男性がお互いを説明するために使用した表現は、女性が使用した表現よりも肯定的なものが多かった。男性は「ウィナー」や「ビッグマン」「ドォーグ」「スーパーヒーロー」などという表現を好んだ一方、女性は「スカンク」や「スラット」「ホー」「トリック」「ビッチ」など中傷的な表現を多用していた。
調査の結論は、両親やテレビ番組、広告、ジャーナリスト、政治家などが若い世代に何を見せ、何を聞かせるのかについて責任をもたなければならないということだった。ヘンソン氏は、親が子どもたちが見るものに責任を負うべきだが、不況な現代は両親が共働きである場合が多く、非常に難しい状況にあると指摘している。
なお、MTVの代表者はPTCのこの調査に対してコメントを控えている。