米国イリノイ州ディケーター出身の女性ボーカルをもつ同バンドは2007年に結成され、米中西部の至る所でツアーを開催することをベースにファンを獲得してきた。
彼らのデビューアルバム「Scripted」はメジャー・レーベルで8月23日にリリースされ、未だ人気は衰えていない。アルバムをリリースしてから熱狂の渦に包まれたバンドのフロントウーマンでリードボーカルのアリエルは、その後の変遷と将来の計画などについてBREATHEcast(BC)のインタビューで語った。
BC:「Make A Move」に隠されたストーリーとはどんなものですか。
アリエル:「Make A Move」は世の中の変化を目の当たりにしての個人的なもがきや苦しみを表現した曲なの。私は人身売買についての統計と、数ドルでどれだけの子どもたちの命を助けることができるのかを知ったわ。彼らが生きることができるのか。つまり、こういう知識が私の日常に変化を与えるか、そうではないかどちらかなの。今月のヘアカラー代の代わりに10ドル募金するかどうか。そんな選択にうんざりしちゃったわ。でも私の髪はまだピンクでしょう。だからヘアカラーの方が勝ったのね。こういう考えは「普通」じゃないってことも分かってる。総合的に見て健全じゃないし、何人かの善良な人々はそれを私の若さ故の行動だと思って、私が成長するのを待つでしょうね。でも私たちは何が起こっているのか知っているから、歌でも表しているように、むしろこちら側の溝に落ちたいの。
BC:バンドメンバーとはどこで知り合ったのですか。
アリエル:ドラムのアダム、ギターのショーンは彼らのパーティーで以前一緒に演奏していたのよ。彼らは友人たちとガレージでフリーバードを演奏していて、ただ楽しむだけのものだったわ。その時、ショーンはアダムも含めてパーティー仲間と決別して自分の人生を見つめ直すことを決めたの。その6カ月後にショーンと出会って、すぐに彼がギター奏者だと気付いたから一緒に音楽をやらないかって誘ったの。私たちは次の日から活動を始めたのよ。それから私たちにはドラマーが必要なことに気が付いてショーンがアダムを呼んだの。その数カ月後、私たちのホームタウンにあるクラブで最初のショーを開催した。結果はあまりいいものとは言えなかったけど、友人や家族は辛抱強く見守ってくれたわ。
BC:どのようなサウンドを描いているのですか。
アリエル:私たちは先行的なロックバンドなの。それが私たちのルーツで魂なのよ。でも数年前、シンセサイザーやプログラミングを音楽に組み込み始めたの。ポップミュージックの楽しいキャンディーを撒き散らすと同時に残忍で押しの強い反復を入れるっていうコンビネーションが好きなの。
BC:アルバムに収録されている曲の中でどの曲が一番難しかったのですか。
アリエル:いい質問ね。全ての曲は自然できたんだけど、私たちが好きなリフやメロディーにつまずくと大体すぐに分かるわ。私は「ファイト」という言葉を胸に今までやってこれたのよ。そしてベン・カシカと一緒に働けるという特権を得て、一日中彼のスタジオで収録して深夜近くまでそこで過ごしたの。私たちは良い思い出や新しい友達を得たけど、その曲は全く制作が終わらなかったのよ。だから翌週に戻ってきて終わらせたの。30時間以上を費やして試行錯誤した唯一の曲だと言えるわ。
BC:あなたの転換とは何でしたか。どのように神と出会ったのでしょうか。
アリエル:実際にとても面白くてドラマティックな曲を提供することを望んでいるけど、正直それだけが全てじゃないの。私は「転換」がどうだったのか覚えてないわ。私は敬虔なクリスチャンの家庭で育って、神の存在を確信したの。イエスが「ママをご覧。生きている」という問題にするほどでもないことを気付かせてくれた時、「ああ、私は生きてるんだ」って思ったの。その時かしらね。神に従うということは、私が前進し続けるためのパスワードに似ているわね。私は毎日死んで新しく生きる機会を得るということを思い出すのが好きなの。
BC:ファンはアルバムから何を期待して、そしてあなたは彼らにどのようなメッセージが伝わることを期待していますか。
アリエル:私たちは多くの人を励ましたいの。若いクレイジーな子たちは自分が誰であるか、今すべきことは何かを正しく知ることほどほかに望んでいることはないと思うの。多くの曲は過去の苦しみを表現してるのよ。だって私たちの生活の中でそれが大きな障害になってるんだもの。ほとんどの人は楽しい人生を過ごしているのよね。両親が離婚しようが、不況に陥ろうが、虐待されようが。私たちはそこで人としての資格を剥奪されて立ち往生しているように感じていて、このアルバムは彼らの過去が未来を奪い続けないようにという願いを込めたものなのよ。
BC:どの曲が最も自分自身を見出したものなのですか。また一番反響のある曲はどれですか。
アリエル:今を生きるための大好きな曲は「Pieces」という曲よ。上に向かって投げ掛ける叙事詩のように仕上がっていて素晴らしいロックなの。その曲は自分自身に責任をもつことや幸せな生活を送っている時、恐らく何かすべきことがあるんだということに気付くことを歌っているの。人生にとって力強くて霊的なものなのよ。個人的には多くの人を共鳴させる曲は「Get Well」だと思うわ。私はごく個人的な場でその曲を書いていて、全てのフレーズがお気に入りよ。そして数カ月前にその曲のミュージックビデオを撮影したの。本当に多くの人に見てもらいたいと願っているわ。
BC:個人的に活動している時と比べてメジャー・レーベルのアーティストになってから生活はどう変わりましたか。
アリエル:幅広い層の人々に聴かれるようになったわ。以前は中西部を中心にツアーを開催していたのに比べて、今年の夏は全米ツアーを開催することができて本当に驚きよ。また、このアルバムで本当に優秀な人材をパートナーにする機会を得たのよ。私たちは頭の中に常に音楽のビジョンを描いているけど、限定的な予算や知識の乏しさのせいで、それを行動に移すのが難しい時もあるの。私たちはこのCDでロブ・ホーキンス&アーロン・スピンクルと一緒に働いて、彼らは私たちのビジョンが現実なものになるように本当に助けてくれたの。
BC:最後に、あなたの使命とアーティストとして目標としていることは何ですか。
アリエル:私たちはツアーを続けて、できる限り多くの人に曲を届けたいと思っているの。だって私たちの曲はツアーが原点になっているんだから。新しい友人に出会って、彼らの物語を聞いて、私たちの物語を分かち合う。それが相互に作用して素晴らしい曲が生まれるんだと思うわ。私たちにとって普通のクラブで演奏することはとても重要なの。また、いつか大金を得て、アフリカの汚染された水質の改善に貢献することを望んでいるわ。