【エジンバラ(スコットランド)=ENI・CJC】(トレバー・グランディ)最近の調査ではスコットランド市民の62パーセントが同性間の結婚を容認しているが、主流宗教各派は断然否定。ただその声は意外に影響力が少なくなっている、と見る向きもある。
スコットランド政府の報告書『市民契約の登録、同性間結婚』に対して、スコットランド教会(長老派)は「法律を同性婚許容へ変更すべきということには同意出来ない。同性婚も含めるように結婚を再定義することは、国・家族・社会・個人の安寧に重要な、そして今なお考慮が不十分な反響を呼ぶことになる」と指摘する。
カトリック教会も政府の姿勢を非難する。強烈な語調の声明で、キース・オブライエン枢機卿が、「普遍的に認められた人権」を、結婚の意味を解体することで破壊しないよう呼び掛けた。「結婚はいかなる国家や政府の存在より前のものだ」と言う。
これらの見解に、スコットランド・ムスリム評議会のサラ・ベルタギ博士も同調する。「わたしたちは、全体として同性カップルが結婚するという考えに反対だ。神は男を創造し、そして女を創造した。それで男と女が結婚し家族を持つのだ。同性婚は全く秩序に反している。地球上の政府で、神によって制定された結婚の本質を変更する権利を持っている所はない」と言う。
ユダヤ教共同体のスコットランド評議会も、トーラー(律法)が禁止している同性間の関係には反対だ。ウエブに掲出した声明で、「共同体の全支部は、そうすることを望まない宗教団体は、市民結合の登録を求められない、ということに強く同意する」と述べている。
しかし自由主義色の強いユダヤ教共同体の指導者は、「宗教的な市民結合式典の導入を強く支持し、なるべく早期にそれを許可することの立法化を願う」と声明で述べている。
スコットランド教会のイアン・ギャロウエイ牧師は、教会の立場に驚くことはない、として「応答は教会の法務委員会から出されたもので、それは現行法によっており、法的なものであって、倫理的神学的応答ではない」と言う。同氏は、同性婚に関する教会の立場を理由に教会を離れる人が出てくるかもしれない、と認めている。