【CJC=東京】宗教を信仰している人は、世界で推計5億人いる無神論者を、強姦犯と同じくらい信用していないとの研究結果が12月2日、専門誌『ジャーナル・オブ・パーソナリティー・アンド・ソーシャル・サイコロジー』に掲載された。
論文の主執筆者、カナダ・バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学博士課程のウィル・ジェルベー氏(心理学専攻)は、「宗教を信仰している人びとが多数派の場所、つまり世界のほとんどで、無神論者は最も信用できない人びとのグループに入る」と述べた。AFP通信が報じた。
研究によると、神への信仰を表に出す人は、信頼できる人として見られるのだという。特に「神に監視された方が人間は善行をすると考える信者」の間でこの傾向が強かった、と共同執筆者のエイラ・ノレンザヤン氏は語る。
研究チームは、米国の成人350人とカナダの学生420人を対象に、複数の仮定にもとづいた質問やシナリオを出した。その結果、「信用できない人」は、キリスト者やイスラム教徒、同性愛者の男性、フェミニスト、ユダヤ人よりも、無神論者である可能性が高いと考えられていることが分かった。無神論者と同程度に「信用できない」人びとは強姦犯だけだった。
研究チームは、信仰者の無神論者に対する偏見は、嫌悪感や反感よりも、不信感によって動機付けられていることが分かったと結論づけている。