【CJC=東京】ポーランドのカトリック修道会『マリア会』は、アダム・ボニエツキ元総長(77)にメディアでの発言を禁止する、と11月3日決定したことで同神父支持者数千人から11日に抗議嘆願を受けたが、禁止決定を21日再確認した。
「全ての修道者と同様に、マリア会士は、貞潔、清貧、服従という三つの誓いを行なっており、テレビ局とは編集部とか団体、官庁の所有物とはなりえない」とパウエル・ナウモビッツ現総長は公開書簡で明らかにしている。
ボニエツキ神父は10月31日、テレビのインタビューで、反教会的な政党にによって触発された議論は「教会にとって必要だ。教会は、自らの友人や信者の輪の外に、教会を非常に批判的に見ている人が多くいることに気づかなければならない」と語った。反教会政党は、10月の総選挙で第三党となり、議事堂から十字架を撤去するよう要求している。
別のテレビ・インタビューで、同神父は、一司教がカトリック信者に、音楽番組に悪魔崇拝とされているロックスターが出演したことに抗議して聴視料を支払わないよう呼び掛けたことは「過剰反応」と思う、と語っている。
ナウモビッツ総長は、11月18日の書簡で、修道会員それぞれの「使徒的働きの状況」を決定するのは修道会であると指摘している。
ボニエツキ神父は1993年から2000年までマリア会総長。メディア・パーソナリティーとして知られている。教皇ヨハネ・パウロ2世の要請を受けてバチカン機関紙ロッセルバトレ・ロマノのポーランド語版を創刊した。カトリック週刊紙の編集長を12年間務め、今年1月引退した。
ボニエツキー神父は「非常に多数の人たちのガイド」として知られており、修道会の規制はヨハネ・パウロ2世の「対話と理解の文化を作ろう」という訴えに反する、とマリア会への嘆願書に署名した人たちは指摘している。「この精神に反対する行為は、教会に対する誤ったイメージを強くする」という嘆願書にはカトリック系雑誌編集者を始め信徒7860人が署名した。