・・「わが愛する者よ、見よ、あなたは美しい、見よ、あなたは美しい、あなたの目ははとのようだ」(雅歌1:15)
< 「詩人」と言われて >
「ささきさんは詩人ですから、文章に美しさといのちがあって、いつも感動します」。深刻な問題で悩んでいた方を携帯メールで励ましていた時、こんな返信をもらいました。
「えっ、私が詩人だなんて!」。思ってもみなかったことを言われて、驚きました。それまで私は、詩というものに興味を持ったことがありませんでした。詩を読んだこともほとんどないし、書いたことは全くありません。「詩人」というと、「自然などに感動して、それを美しいことばで表現することしかできない、実社会から逃避している弱々しい人」という消極的なイメージしかありませんでした。
ところがそんな私が、一時、重度の障害児を育ててきた方から頼まれ、その方が書いた生活詩の原稿を批評したり修正したりして、お手伝いをしたことがあります。その方は障害児を含む四人の子どもたちの育児に、日夜奮闘してきました。
その方の短い詩の文には、日常生活の苦しみと葛藤から生み出された「いのちの美しさ」 が凝縮されていて、読むたびに、非常に感動しました。その方の詩集は、『千冊の絵本』という題名で、いのちのことば社から出版されました。詩を作るお手伝いをしているうちに、自分の文章が詩的になってきたのでしょうか。
思えば、賛美歌だけでなく、民謡や各種のヒット曲に至るまで、感動や喜びが、歌詞(詩) に生き生きと美しく表現されています。長年弁護士として私は、自分の言い分を相手が反論する余地のないほど論理的にかつわかりやすい文章で表現する訓練を積んできました。その反面、人の情緒に訴えて感動を呼ぶような文学的な表現は苦手でした。「ささきさんの文章は、大変わかりやすいが、論理的過ぎて、いまひとつ感動がない。もっと感情を自由に表現した方がいいのではないか」。こう言われたことがあります。
そんな私にとって、「ささきさんは詩人ですから」ということばには、ものすごい力がありました。「もしかして、私には詩を書く力があるのだろうか。本当は詩人なのかもしれない!」と思い始めたのです。
もし私が詩人だとしたら、あなたにはもっとすばらしい詩が書けるはずです。あなたの内に秘められている、「詩人性」に目覚めてください。神が造られたすべての被造物のすばらしさと美しさに、心から感激して、その感動を自分なりの言葉で表現すればいいのです。
創造主なる天の父は、ご自身の子どもに、「どんなことでもできる」さまざまな能力と才能を与えてくださっています。あなたがそれを引き出し、大いに用いて栄光を現すことを、父なる神は望んでおられるのです。
< クジラがダンスを踊る >
あなたは、クジラがダンスを踊るのを見たことがありますか。フロリダのテーマパークでは、クジラがダンスを踊るショーを見せています。頭でっかちで胴の短いクジラが、どうしてダンスを踊れるようになったのでしょうか。
クジラが指示通りに動くと、調教師はクジラを十分ほめてあげた後で、サバを一匹与えます。そしてこれを繰り返すのです。なんと、人がほめることばは、クジラの心に感動を呼び起こし、隠れている能力を引き出す力があるのです。
草花も人にほめられると、生き生きと成長して美しく咲きます。なんと、水でさえも、ほめてあげると、美しい結晶を造るのだそうです。
「神は賛美の上に住まわれる」。聖書にはこう書かれています。偉大なる創造の神は、ほめたたえられるのにふさわしい方であり、ほめたたえられることをお喜びになります。父なる神のイメージに造られた人間も、ほめられるべき存在であり、ほめられることを喜ぶようにできているのです。
「ほめる」とは、心ないお世辞を言って、人をおだてることではありません。その人が本来持っているすばらしさを見出して、心からの感動を込めて「すばらしい!」「すごい!」「美しい!」とことばで表現することです。
愛し合う人たちは自然に、お互いをほめ合います。愛すれば愛するほど、相手のすばらしさが見えてくるからです。感動してほめればほめるほど、ほめることばに影響されて、相手の人のすばらしさは、ますます輝いてきます。
「愛は徳を高める」。聖書にはこうありますが、人を愛し、ほめることは、その人の価値や能力を、どんどん引き上げていくのです。
「わたしの目にはあなたは高価で尊い。わたしは永遠の愛をもってあなたを愛している!」。これが聖書を貫く、あなたへの神の評価です。あなたを造った神は、あなたを「高価で尊い」とほめておられるのです。「あなたは美しい! あなたはすばらしい!」と。
神があなたをこよなく愛し、最高に評価しているからこそ、あなたを救うために御子イエスを十字架にかけ、あなたに永遠の命を与えてくださったのです。まさに聖書は、あなたへ命を懸けた神の熱愛のラブレターです。
もし、神が怒り、悲しまれるとしたら、神ご自身がこれほどまでに愛し、高く評価しているのに、あなたがそれに気付かないからです。この人に比べたら自分には価値がないとか、あの人に比べたら自分の方がましだとか、人間的な「どんぐりの背比べ」をしているからです。
神がほめてくださることばを、素直に受け入れ、大いに感謝し、喜びましょう。人があなたをどんなに見下し、軽蔑しようと、あなたの本来の価値には関係ないのです。
神はあなたをこよなく愛し、あなたに非常に感動し、あなたをとても高く評価しています。「あなたはすばらしい!」「あなたは美しい!」。朝から晩まで、あなたが眠っている間も、毎日24時間、神はあなたをほめ続けてくださっているのです。
神のほめることばを、素直に聞いて、限りなく高められていきましょう。
佐々木満男(ささき・みつお)
国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。
■外部リンク:佐々木満男先生のブログ「ドントウォリー!」