イスラム教からキリスト教に改宗したとして死刑判決を受けたイラン人牧師のユセフ・ナダルカニ氏は、判決から一年が過ぎた頃から、棄教を拒絶していることを理由に刑務所内で虐待を受けている。
長期間にわたり彼に対する虐待が行われていることが明るみに出て、国際問題に発展したことで、イランの信教の自由に関する規制がいくらか進展の兆しを見せているようだ。
ナダルカニ氏は、信仰を改めるよう迫る声を拒絶することで世界的に注目を浴びるとともに、この問題はイスラム教の最高指導者にまで届いている。クリスチャン・ブロード・ネットワークによると、判決は12月中旬に言い渡されるという。
問題の終結を待ちわびているナダルカニ氏は、長期間にわたって独房に入れられており、イスラム教の書物を無理やり読まされたり、身体的な拷問を受けたりしていると伝えられている。クリスチャン・テレグラフ誌によると、イランの教会の牧師たちは匿名で、彼が健康を害するのではないかとの懸念を述べている。
彼らは、「我々は彼が深刻な状況に陥っていることを知っている。彼は激しい苦痛に苛まれていることだろう。長い間、誰とも話すことが許されない独房で時間を過ごし、『お前は死ぬんだ』と聞かされる。これは拷問だ」と語った。
迫害に関する様々な活動を行っている宣教団体「プレゼント・トゥルース・ミニストリーズ」のジェイソン・ディマース氏は、ASSITニュースサービスに対し、ナダルカニ氏は「精神的な強さをしっかりと保ち続けている」と語っている。
イランの裁判所は、ナダルカニ氏がもしイスラム法に従って信仰を改めるなら、死刑判決を取り消すと約束している。このようにイスラム教の勢力は裁判所にまで及んでおり、彼に対して祈るクリスチャンたちを抑圧している。
イラン当局はクリスチャンへの激しい迫害を行っているにもかかわらず、目に見えて成長を続ける家庭での教会活動を止めることはできていない。