少年への性的暴行で米国ペン・ステート大学のフットボールチームのアシスタント・コーチの男が訴えられ、同大の学長とチームの監督が解雇された。
スポーツを通してイエス・キリストのメッセージを伝える「アスリート・イン・アクション」の牧師ティム・マギル氏は、同大のキャンパス・ディレクターとして31年間、同フットボールチームの非公式牧師だった。彼は、衝撃を受け、混乱しているというのが正直な気持ちだと語っている。
「選手たちはそれでなくてもアメフトの厳しい練習で疲れているのに、大きな衝撃を受けてしまったんだ」と米クリスチャンポスト紙のインタビューで語ったマギル氏は、選手たちが一日も早く日常の感覚を取り戻して欲しいと考えている。
大陪審調査の結果によると、同大フットボールチームのアシスタント・コーチ、ジェリー・サンダスキーは、自らが設立した青少年支援の慈善団体「セカンド・マイル」を利用して少年たちに近付き、15年以上にわたり8人もの少年に性的暴行を加えていたという。
サンダスキーは11月5日に逮捕され、10万ドルの保釈金を支払う前に40もの罪状が明らかにされた。
マギル氏はサンダスキーと個人的に交友があり、サンダスキーの娘はマギル氏の子どもたちのベビーシッターとして働いていた。「ジェリーはとても個性的なんだ。彼はムードメーカーで、面白くて、教養があって、すごいやつなんだよ。それなのに・・・・・・ものすごく衝撃を受けたよ」とマギル氏は語った。
マギル氏はかつての友人が、後に小児性愛者であることを明かしたが、彼に限って事件を起こすとは思いもしなかったという。1年以上前、性的暴行の調査の話を最初に聞いた時は、サンダスキーとは違う別の誰かについてのスキャンダルだと思っていた。
46年間にわたり同大フットボールチームの監督を務めてきたジョー・パターノ氏は、今回の事件が大きく取り沙汰される中で解雇された。
選手たちはパターノ氏を解雇する決定に対して憤慨しており、そのことも報道された。選手たちの多くは盲目的な忠誠でパターノ氏に従っていたため動揺しているとマギル氏は語っている。選手たちは大学で、パターノ氏を父や祖父のように慕っており、彼への非難は正しくないと信じているのだという。
「私は、人間は完全ではあり得ないという現実を考えさせられる。気を付けなければ、誰もがそれぞれの方向でつまずき、間違いを犯す可能性がある」とマギル氏は語り、「絶対的な忠誠を誓うに値するのはキリストだけだ」と付け加えた。
また、マギル氏は、サンダスキーが有罪になるまで無罪を信じており、この問題について長期的に処理された管理レポートにも満足しなかったという。
マギル氏は、「もし全てが事実ならば、このことは10年間も放置され、ジェリーは校内に入ることを許されていたことになる。何と言ったらいいか、これが我々の組織的な制度だと言うのだろうか。私は学校の権力者たちが犯罪行為を排除することを期待している」と語った。
マギル氏は、サンダスキーや彼の家族、渦中にいる人を含む全ての人のために、一日も早く問題の収拾がつくことを願っており、「これは衝撃的な出来事だが、神は我々を正しい道に導かれ、統治し、秩序を回復される。我々は良き神に信頼を寄せ、それを信じることができる」とコメントした。