オバマ米大統領は18日、インドネシアバリ島を訪問し、19日開催される東アジアサミットに米大統領として初参加する予定である。オバマ米大統領来訪に先駆け、インドネシアの数千人ものイスラム教徒らが米国大使館前でオバマ米大統領を「イスラム教徒殺し」であると非難する抗議活動を行っている。14日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
ロイター通信によると、抗議活動参加者らは、イスラム教強硬派の人々で、「アメリカはテロリストの国だ」、「オバマを退け、資本主義を退け、帝国主義を退けよ」と書かれたプラカードを掲げて抗議活動を行っているという。
抗議活動の広報担当者であるムジヤント氏はAFP通信に対し「我々は米国とオバマ大統領に対し、オバマ米大統領の来訪に強く反対します。オバマ大統領はパレスチナとアフガニスタンのイスラム教徒の兄弟たちを殺害した殺害者です。さらにインドネシアの天然資源の盗人でもあり、世界を乗っ取り、すべての米国の国益のために動かそうとする帝国主義者です。オバマ大統領がインドネシアに来るのは、ただ資本主義と帝国主義の勢力を南アジアの地域、とりわけインドネシアにおいて拡大させたいだけです。ですからこのような抗議運動を通して、私たちが真に私たちの国の将来を憂いていることを表現したいのです」と述べている。
インドネシアは世界でも最もイスラム教徒の割合が高い国の一国として知られており、世界第4位の人口を誇る同国2億5千万人の人口の中でおよそ86パーセントがイスラム教徒であるといわれている。
オバマ米大統領は6歳から10歳までの少年時代を母親と義父とともにインドネシアで生活した経験を有している。そのためオバマ米大統領当選時は、オバマ氏がイスラム教の背景を持っているのではないかとのうわさが米国内でも一時期広まった。しかしながらオバマ米大統領は、実際インドネシアでの生活中に、同国のカトリックの学校と無宗教の学校に通っていたクリスチャンであった。
昨年インドネシアを来訪した際、オバマ米大統領はモスクを訪れ、ジャカルタ市の大学生たちへ演説を行い、インドネシアでのキリスト教徒とイスラム教徒の間の対立・緊張感について言及していた。当時オバマ米大統領は「インドネシアを訪れ、キリスト教徒としてモスクを訪れることで、『イスラム教徒も同様に教会に来ることが許されている。イスラム教徒もキリスト教徒も同様に神に従う者たちなのだ』ということに改めて気付かされました」と述べていた。
一方で外交政策においては、アフガニスタン戦争激化について批判を受けている。米ブルッキングス研究所によると、アフガニスタンでの駐在米軍数は、オバマ米大統領就任以来2倍に増えており、米軍とタリバン武装生殖の軍事衝突による民間人死亡者数も増加してきたという。