1.「インスピレーション」と「パースピレーション」
「1%のインスピレーション」+「99%のパースピレーション」。これが「世界の発明王トーマス・エジソンの成功の秘訣」であると言われて来ました。「1%のひらめき」+「99%の努力」こそが、成功の秘訣であると。
エジソンは自分のベッドで眠ったことがほとんどなく、仕事場で断続的に短い仮眠をとることによって、途切れもせず、飽きもせずに、ひとつのテーマに肉体的・精神的エネルギーを集中しつづけました。ですから、エジソンは「努力の人」として賞賛されて来ました。
ところがこれは真実ではありません。「『1%のインスピレーション』がなければ、『99%のパースピレーション』は無駄である!」。雑誌のインタビューで、エジソンは本当は記者にこう語ったのです。(「サクセス・マガジン」1982年2月号)
「『1%のひらめき』がなければ、『99%の努力』は無駄である!」。「ひらめきの人」としてエジソンは、「インスピレーションがいかに重要であるか」を語ったのです。それなのに世間では誤解して、自分を「努力の人」として紹介していることに、非常に憤慨しています。
聖書によれば、万物の創造主は全知全能です。一つの問題を解決するのに、全知全能の神は、100万の方法を持っています。ご自分の子どもであるあなたのために、父なる神は、初めから問題の解決の道を備えてくれています(Ⅰコリント10:13)。
神の解決の道は、インスピレーション(導き、ヒント、直感、ひらめき)によって示されます。神のインスピレーションに従えば、あなたはまっすぐな道を歩むことができます。自分の知識(思い、考え)に頼ってがむしゃらに努力しても、あなたの努力は全く無駄になり、疲れはててしまうことが多いのではないでしょうか。
まず、神の御前に静まって、神のことば・聖書を深く読んで、よく祈って、神ご自身から問題解決への方向性、解決すべき具体的方法を示していただくことです。それに忠実に従って歩むならば、問題は必ず解決します。
神のインスピレーションに従っているときは、絶え間なく新しい力がわいてくるので、いくら働きつづけても疲れることがありません(イザヤ書40:31)。他の人々の目には、その人は「努力の人」に見えますが、本人は寝食を忘れてしまうほど楽しく働いているのです。
「電灯のフィラメントは必ず発明できる!」。このインスピレーションを得たエジソンは、100%の確信をもってこれに取り組みました。成功するまでに一万回の実験を繰り返したと言われています。このように持続する力は人間の力をはるかに超えるものであり、努力やがんばりだけからは決して出てくるものではありません。
2.「見えない世界」と「見える世界」
「1%のインスピレーション」という言葉で、エジソンは「見えない世界」(霊の世界)のことを語り、「99%のパースピレーション」という言葉で、彼は「見える世界」(肉の世界)のことを語ったのです。実は、問題解決の重要さとしては、「99%」がインスピレーションで、「1%」がパースピレーションなのです。
「氷山の一角」という言葉があります。「氷山」の「水面下に隠れている部分」と「水面上に現れている部分」との比率は、「10対1」です。「見えない世界」の「見える世界」に対する比率がいかに大きいか。
水面上の目に見える氷山だけを目指して行けば、必ず水面下の氷山に衝突して、あなたの船は座礁します。問題の小さな外面的な部分だけを見て解決しようとしても、いつかは必ず挫折してしまいます。
問題の大きな内面的な部分を考慮しながら対処していけば、いつかは必ず解決します。ですから、自分の考えによってがむしゃらに努力してがんばるよりも、心を尽くして神を信頼し、すべてをご存じの神の総合判断にゆだねていく方が、はるかによい成果をあげることができるのです。
あなたはキリスト・イエスにある恵みによって、強くなりなさい。(Ⅱテモテ2:1)
主の祝福そのものが人を富ませ、人の苦労は何もそれに加えない。(箴言10:22)
佐々木満男(ささき・みつお)
国際弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。インターナショナルVIPクラブ(東京大学)顧問、ラブ・クリエーション(創造科学普及運動)会長。
■外部リンク:佐々木満男先生のブログ「ドントウォリー!」