【CJC=東京】ENIニュースによると、全世界で少なくとも52万6000人が「武装した暴力」によって毎年殺害されている。スイスの調査団体「武装暴力と開発に関するジュネーブ宣言」が10月27日、報告書『武装暴力の世界的負担=危険な戦闘』(仮題)を発表した。
報告書は、被殺害者は毎年39万6000人(内女性6万6000人)。また故殺によるもの5万4000人、法執行中の暴力2万1000人。さらに推定5万5000人がテロの際に殺害されている。
「政治的暴力、犯罪、対人関係による暴力などの区別があいまいな状況が増加している。中央アメリカの麻薬密売やソマリアの貧困といった経済的な動機で行なっている海賊行為などがそれだ」と、武器貿易の専門家キース・クロース氏は言う。同氏は報告書の主要執筆者。
調査では、全世界の暴力による死は、2004年から09年に掛けては10万人当たり7・9人だった。ただ少なくとも58カ国では10人に上っている。最高はエルサルバドルで同61・9人。次いでイラクが同59・4人。ジャマイカ、ホンジュラス、コロンビア、ベネズエラ、グアテマラの中米5カ国はいずれも43人以上だった。
国連では在来型兵器の交易制限に向けての努力が進められており、世界教会協議会(WCC)など人権団体や教会団体による殺害減少への世界規模の活動支援が期待されている。
WCCのオラフ・フィクセ=トゥヴェイト総幹事は10月21日、ニューヨークで開かれた、人権と武器交易に関するパネル討論会で、「国連加盟国、教会、民間団体などを代表しているか否かに関わらず、わたしたちはみな、一般市民の求めているものを、その人たちの日常生活と平和を脅かす武器に対する厳しい規制という課題に結び付けるためにここにいる」と語った。
27カ国の教会、関係団体、ネットワークの代表が、WCC主導の、強固で効果的な武器交易協定成立への動きを支持し、パネル討論会に参加した。