【CJC=東京】伊中部アッシジで、教皇ベネディクト16世が主宰した世界の宗教者代表の平和を祈り諸宗教の対話を目指す会合「宗教者サミット」について、カトリック教会の伝統主義者グループ「聖ピオ10世会」は、これほど多くの「虚偽宗教」指導者がそれぞれの「神」に祈るような会合を教皇が主催するとは、と会合を「冒涜的」と批判している。
聖ピオ10世会は、今回の会議が引き起こした害悪を償うためには1000回ものミサを行なう、と言う。そして非カトリック者にカトリックへ改宗するよう呼び掛けた。
聖ピオ10世会米国管区長のアーノー・ロスタン神父は、アッシジで行なわれた超宗教的な催しは「神の第1戒『わたしのほかに神があってはならない』に直接反するものだ」と非難した。そして米国の同会は信徒に対し、「特に現在盛んになっているエキュメニズム(一致)に反対する」信仰防衛のために祈るよう求めた。
フランス管区長のレギス・ド・カッケリ神父もアッシジ会合を非難し「祖先が神の子を十字架につけ、三位一体の神を否定した祖先に忠実なユダヤ人といることを神が喜ばれる、という考えを誰が受け入れられるだろうか。その信奉者が絶えずキリスト者を迫害しているアラーへの祈りに、神が耳を傾けることがどうして出来ようか。神が異教徒、分離派、そして御子によって表わされた教会を否定した背教者の祈りを受け入れることがどうして出来ようか」とする声明を発表した。
この激烈な声明が、聖ピオ10世会に対するバチカンの和解努力に水を差すことは必至と見られる。