アメリカンフットボールのスターで福音主義者でもあるティム・テボウが所属するチーム、デンバー・ブロンコスは23日、フロリダで行われたマイアミ・ドルフィンズとの試合で、延長戦の末18対15で勝利を手にし、テボウは神に感謝した。クリスチャンである彼の才能が開花したことについて異を唱えている人々は、未だにこの勝利について議論を戦わせている。
アスロンスポーツ紙は、「まず、神とイエス・キリスト、ともに戦ったチームに感謝しなければならない。チームの仲間は60分以上も僕を信頼して、ともに戦ってくれたんだ」と、驚きの勝利の後でテボウが語ったと報じている。
何ともドラマティックな勝利だった。試合開始から54分が経過するまでは、テボウのプレーは印象に残るものではなかった。しかし、テボウは、まるで神の栄光を現すためであるかのようにプレーを一変させ、彼のファンの期待に突然応えた。
「ファンを失望させたくなかったんだ。あの時点で既にがっかりさせていたかも知れないけどね。もし相手に倒されても何度でも起き上がってやると思ってプレーしたんだ」と、フィリピン宣教師の息子であるテボウは語った。
試合時間が残り6分を切った時、マイアミ・ドルフィンズは守りに徹していたが、テボウは果敢に攻めていき、2度のタッチダウンを奪った。
ブロンコスが延長戦で2ポイントを奪った時点で、ドルフィンズのディフェンスが崩れた。テボウは選手たちの間をすり抜けた。延長戦にもつれ込み、ブロンコスのマット・プレイターは52ヤード先のゴールに向けてキックを放ち、勝利を確実にした。
試合の2日前、nfl.comの記者は、「アメフトは最も人気のあるスポーツのうちの一つになりつつある」と述べた。また、テボウについて、「何千人もの人たちが類稀な彼の素晴らしいプレーに魅了されている。しかし、同時に大きなチームにとって彼は嫌われ者だとも言えるだろう。インターネット上では『TebowHaters.com(テボウが嫌いな人たちドットコム)』というウェブサイトや『大嫌いなティム・テボウ』というフェイスブックのコミュニティーも存在している」という記事を書いていた。
試合後には「本当に興奮したよ」というドルフィンズセンターのマイク・パウンシーのコメントが伝えられた。彼は、「テボウは神についてよく話していて、薬も酒もやらないし、正しい生き方をしているんだ。それに彼は大学のナショナルチャンピオンシップでも優勝したことがあって、確実に実力を付けてきているんだ」と語った。
「多分、皆はテボウが上達してナショナルリーグに入ったという事実を受け入れたくないんだ」とドルフィンズのランニングバック、レギー・ブッシュはnfl.comの記者に語り、「そして恐らく何人かは、彼が素晴らしいクオーターバックだと認めていない。皆それぞれ嫌いな理由を探しているんだ」と続けた。
テボウはというと、彼を批判する人々のことをほとんど気にしてはいないようだ。
フロリダの大学でテボウはしばしば、聖句を記したアイブラック(まぶしさを抑えるため、目の下に付けるステッカー)を使用していた。2009年のボウルチャンピオンシリーズでは、「ヨハネ3:16」と書いていたため、9200万人もの人々にGoogleで検索させたと言われている。
その後、テボウは聖句を「箴言3:5‐6」に変え、再び343万人もの人々が検索するという現象が起こった。そのことを問題視したNFL(ナショナルフットボールリーグ)は、アイブラックに文字を入れることを禁止した。