【CJC=東京】米宣教専門RNS通信が、カトリック教会のサーカス宣教について報じている。
米マサチューセッツ州ウースターのDCUセンターに設けられた祭壇に特別に変わったところはないが、サーカスの一行がミサに訪れると雰囲気が一変した。ジェリー・ホーガン司祭はライオンやシマウマが描かれた色彩豊かな祭服を身にまとい、『聖体』を執行する際には、非番の出演者たちは大理石の床にひざまずき、祈り、自然にポルトガル語で歌い出した。と言ってこれはサーカスの出し物ではない。
米国のサーカスは巡業列車に集団で乗り各地を回る。公演も年に数百回に上る。このサーカス団にはカトリック信者が50人いるが、子どもたちと一緒に、司祭や修道女にハグする顔は、喜びに輝いていた。司祭たちはこの日のために準備を進めていたのだ。
米カトリック司教協議会の『サーカスと移動ショー宣教』部門は、北米で興行している41のサーカスで働くカトリック者4500人と各地で開催されるカーニバル、ロデオ、オートレースなどで働く数千人の信徒に霊的に強める働きをしている。
サーカスなどは各地巡業が前提となっているため、出演者たちは、ほとんどが教会に来ることが出来ない。それなら教会の方が出向こうという活動だ。そして一般信徒の活動を重視するよう、改善も進めてきた。
有名な『リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス』は、メンバーの子どもたちのために修道女を教師として雇用した。修道女たちは成人のために宗教活動も行ってきた。今回ドロシー・ファブリッツェ修道女とバーナード・オバカンプ修道女が他のサーカスに同行することになったので、サーカス団員を宗教教育者として訓練、宣教活動維持のために募金も行っている。
この特別な宣教は、1928年にサーカス列車の祝福が行われたことが起源になっている。その後、ボストンのエド・サリバン司祭がサーカス労働者の結婚式を行ったという。
ホーガン司祭自身、子どものころにサーカスに魅せられ、1993年に司祭に叙階されて以来、サーカス宣教に献身している。「サーカスで演技が行われている時、そこは聖なる場所なのです。演技者にとっては神殿です。人びとは楽しみ、現実での出来事を一時忘れるために来るのです。私の仕事は、演技者の力向上を支援システムによって助けること」と言う。