米国のクリスチャンドキュメンタリー映画製作者コリン・ガン氏は、新作映画「インダクトリネーション:アメリカの公立学校におけるクリスチャンの減少」で、生徒や社会的に強い影響力をもつ公立学校を代表する「黄色いスクールバス」をシンボルに選んだ。
同氏は、「あのバスは公立学校のシンボルなんだ。公立学校のシステムの原理は一定のルールに基づいておらず、クリスチャンはその学校から立ち去ることを余儀なくされている」とクリスチャンポスト紙に対して語った。
同作品は、同氏とその家族が米国の教育を受けるのに相応しい場所を探すため、1988年に行ったチェヴィースクールバスで3週間の旅を追ったドキュメンタリー映画。公立学校のシステムや歴史、実際の教育システムを扱っており、「学校はメディアにシステムの側面だけ見せて、本質的なところは見せていない」と同氏は語る。
スコットランド出身で現在はテキサス在住の同氏は、妻と一緒にホームスクールを行っている。彼は、「米国の公立学校教育は神を軽視しており、結局は神と子どもたちとの関係を妨害するシステムになっている」と指摘している。
さらに、彼は、「我々はクリスチャンとしての教育は聖書が第一であるべきだと信じている。公立学校教育は信仰について決して中立な立場ではなく、キリストに賛成するか、それとも反対するか、そのどちらかだ」と述べている。
公立学校に通っているクリスチャンの生徒は、キリスト教の教えをわずかにしか受けず、学習の大部分が公立学校教育によっている。同氏はこの結果、「多くの生徒は大人になるまでに信仰から離れていく」と語った。映画によると、クリスチャンの子どもたちの88パーセントは学校を卒業するまでに信仰から離れてしまっている。
同氏は、「我々は、自分たちのクリスチャン文化が衰える主要な要因は公立学校にあると思っている」と語っている。
また、彼は映画の目的を、公立学校に通う子どもたちの家族に対する批判ではなく、そのような問題のいくつかについて分かりやすく伝えることだと述べている。
同氏は、この問題の専門家になろうとしているわけではない。ドキュメンタリーは、米国の教育システムの中のモラルや政治、経済問題を明らかにする手助けをしてくれる教師や学校の理事、両親、クリスチャンリーダーなどにインタビューを行っていることが特徴だ。
インタビューの中で、発砲事件に巻き込まれたコロンビーナ高校の犠牲者の親は、最高の公立学校でさえ恐ろしい出来事に遭遇することを体験したと語っている。
昨年からのニューヨーク州立学校の教師であるジョン・テイラー・ガット氏は、映画の中で質問を投げ掛けている。「あなたの子どもたちを、あなたの見知らぬ人たちに引き渡して、その人たちにあなたの子どもたちの心を任せることよりも急進的な考えが、人類の歴史上あるだろうか」と。
ガン氏は2003年から映画製作者として活動しており、「インダクトリネーション」は初の長編ドキュメンタリーだ。詳細はウェブサイト(indoctrinationmovie.com)へ。