【CJC=東京】米長老教会(PCUSA)が施行開始した新方針のもと初めて公然同性愛者を牧師に任職した。スコット・アンダーソン氏(56)がウイスコンシン州マジソンのカヴェナント長老教会で10月8日任職された。
同氏は「この日のために40年もの間、活動し祈ってくれた多数の長老派」に感謝の意を表し、「そしてわたしは、今日行われたことに同意しないが、わたしたちはイエス・キリストにおいて一つであることを知っている人たちに感謝する」と語った。
アンダーソン氏は、1983年から90年までカリフォルニア州サクラメントで牧師を務めていたが、自身の性的指向を公表して辞任したのは、ある夫婦に秘密を暴露する、と脅されたため。
一方、「プレスビテリアン行動委員会」のゲーリー・グリーン議長は、アンダーソン氏の任職の前日、「今回の任職は、忠実なキリスト者は誠実な結婚か純潔な独身のいずれかを選択する、と規定したPCUSA信仰告白に違反している」と語った。
PCUSAの、任職誓約から性行為を除外するという決定は米合同教会、聖公会、ルーテル教会(LCA)に続くものだが、「聖典の権威をめぐり教会内で続いている深刻な争い」を示しており、「この道を行くことは、さらなる分裂、会員減、そして米国や世界のキリスト教の主流からの逸脱につながる」と、グリーン氏は言う。
同派は今年5月10日まで、同性愛者が聖職となることを禁止していたが、聖職の必要条件としてあげていた「誠実な結婚か貞潔な独身」を撤廃するという総会決定を過半数の中会が批准したことで、施行が開始された。
メキシコの全国長老教会(信徒200万人)は、PCUSAとの関係を断絶した。ガーナとブラジルの長老教会も今回の動きを強く非難している。性行為に関する基準緩和は、教勢低下の中で成長している韓国教会やスペイン系教会との関係悪化につながる、と見られる。