米国アップル社の創始者であるスティーブ・ジョブズ氏の死は世界中で惜しまれたが、彼の技術革新による独創的なアイデアは時代の人々の助けとなった。
私は小学校低学年だった頃、ほんの小さな子どもで、「コンピューター教育」の授業を受けるためにわずかな靴ひもを結んで学校に通っていた。その授業で「マック」と省略して呼ばれる以前のマッキントッシュについて言及している先生から学んだ。
多くの学校で姿を消したように思われていたマックは、学校にいる間ずっとウィンドウズのオペレーティングシステムを用いていたが、そこで何かが起こったのである。
2001年10月、全てが変化したように見えた。iPodの発売は幼少の頃の友人に出会ったような感覚に襲われた。それはお気に入りの曲を何曲も保存できて、音楽好きにとって曲を聴く方法に変化をもたらしたのがMac製品だったからだ。
1999年に出現したナップスターは、まるで今だけの流行のようにミックスしたCDを輝かせるもののようだった。多くの人は予想以上にお気に入りの曲にアクセスをして、その機能の素晴らしさに目を見張った。売り上げはMP3やブランクCDの販売で黒字になり、特徴の一つであるポケットにフィットするという小さな装置で数千もの曲がもち運ばれた。
iPodは同世代の人々の音楽の消費を定義する手助けとなった。我々の両親の時代はビニール製のレコードや8つのトラックを大切にし、その後カセットテープやCDプレーヤーを大切にしてきた。それぞれが媒体の壊れやすさに左右される敏感性を備えていた。人気が落ちたレコードやCDは経済を左右するほどの悪いニュースに等しく、その後しばらくはテープの質はすり減っていった。iPodは媒体に配慮する必要がなく、これによってより便利に、より良いデジタル式の音楽を楽しむことができるようになったのである。
ジョブズ氏は、iPodを超えて、技術革新をするための支援やiPhoneやiPad、大学生の間で人気のあるコンピューターMacBookの誕生を手助けし、時代の文化に独創的なアイデアをもたらした。
独創的なアイデアは米国の富裕層のうちの一人になるための助けとなり、Forbesによると、ジョブズ氏は2010年の米国人富豪の42番目に選ばれ、総額80億ドル以上もの大金を手にした。
彼の歴史を通して人生の大切さを垣間見ることができる。多く人は成功や富の夢だけを見て人生を過ごしているが、彼は全てにおいて真実を夢の中に見つけた。我々は自分の人生を支配するのではなく、管理するだけなのである。
多くの人々は、経営者は裕福になれると信じている。もし人々が実際に経営者になった場合、その経営者としての生活が破たんしても生活基盤を保つことができるが、一度傾いてしまうと経営の悪化は止まらない。
神が永遠の世界に霊を呼ぶ時、世界で最高の医者も肉体から去る霊を止めることはできない。我々は何を手にすることができて、いつ死ぬのか。
神は良きアドバイスを下さった。簡単に言えば、如何なる状況でも永遠に生きられるのだと。
「あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。富は、天に積みなさい。そこでは、虫が食うことも、さび付くこともなく、また、盗人が忍び込むことも盗み出すこともない」(マタイ6・19~20)
キリスト教の中で「富」というものは、現在の人生と死後の世界で永遠に幸せになるためのものであると説かれている。