世界福音同盟(WEA)では、世界祈祷題目の優先祈祷課題の4番目に東日本大震災からの復旧活動を挙げている。なお1番目の祈祷題目は、インド福音同盟(EFI)が19日に報告したインド国内でのヒンドゥー教過激派によるキリスト教徒の集会への迫害問題となっている。
インドのキリスト教教会が断食祈祷会を開いていた際に、突如ヒンドゥー教過激派が襲撃し、祈祷会を妨害し、同教会牧師に対し、信徒を強制的にキリスト教徒に改宗させたと訴えたという。インド国内ではヒンドゥー教過激派による迫害から、インド国内少数派のキリスト教徒の信教の自由を保護するためにEFI総主事のリチャード・ハウエル博士からインド該当州の首長らに書簡を送付している。
2番目は、インドと中国の間に位置する仏教国ブータンにおいてブータン政府がキリスト教徒への疑念を高めている問題が挙げられている。WEA宗教解放委員会によると、ブータン政府では同国キリスト教徒らが、非倫理的な方法で強制的なキリスト教への改宗を迫る活動が行われているとの疑念が高まっているという。同国キリスト教指導者らによると、同国内でキリスト教の活動に対する虚偽の訴えがなされており、それに伴い政府のキリスト教に対する疑念も高まりを示し、少数派の宗教活動に寛容な同国の法律が改正されようとする動きが見られているという。ブータン政府が信教の自由を保てるように、またブータンのキリスト教共同体が同国政府から活動の公認が受けられるように、また同国での福音伝道活動が妨げられることのないように祈りが求められている。
3番目の祈祷題目は、フィジー軍事政権によるキリスト教活動の迫害が治まることが挙げられている。フィジー軍事政府は、フィジーメソジスト教会における年次総会開催中止、および主日礼拝以外のすべての教会活動の中止を命じた。このことに対しWEA宗教解放委員会は非難声明を発表している。
現在WEAで4番目の祈祷題目となっているのは東日本大震災から6カ月が経過した日本の復旧活動となっている。日本福音同盟(JEA)総主事の品川謙一氏は今月、WEAに対し「皆さまの継続的なお祈りと日本諸教会、および日本人のためのご支援に改めて感謝いたします。日本のキリスト教徒は人口の1パーセント未満ではありますが、多くの教会、キリスト教団体が救援活動に関わってきました。救援活動を通じて日本の人々にキリストの愛が伝えられた証言がなされてきました。300教会以上の教会が震災の被害に遭い、そのすべての教会が現在復旧、再建の段階に入っています。JEAとして、私たちも被害に遭った諸教会への経済支援や霊的な励ましを与え、地域教会ネットワークの救援活動調整支援を行ってまいりました。多くの被災者の方々が避難所から仮設住居へと移り住むようになられましたが、被災者の方々の感情的、霊的な面での配慮はますます必要になっています。孤独や希望がないことによる自殺が多々報告されています。どうか神様の愛の中にある真の希望を被災者の方々に届けることができますように引き続きお祈りください。また野田佳彦新首相と新政権が正しいリーダーシップを発揮していくことで、日本が前向きな方向に変えられていくことができるためにもお祈りください。日本諸教会および日本のクリスチャンが苦しみの中にある人たちとキリストの愛を共有していくことができますようにお祈りください。最終的に、私たちがこのような著しい震災の被害を通り抜いて、神様の栄光が現されるのを見ることができますことを願っています」との書簡を送付している。