【CJC=東京】中国チベット自治区の張慶黎(60=ザン・キンリ)党書記が、河北省党書記に任命された。国営新華社通信が8月28日報じた。張氏はチベットではラマ教(仏教)抑圧で手腕を発揮したことで知られる。
首都北京に近い河北省への異動が注目されるのは、同省7000万人の人口の中でカトリック信者は800万人から1200万人と推定されているため。
張氏は、2008年のラマ僧たちの反乱を鎮圧、チベット仏教の最高指導者で国外亡命中のノーベル平和賞受賞者ダライ・ラマを「仏僧の衣をまとったジャッカル」と決め付け、厳しい姿勢で臨んだことで知られている。
中国のカトリック教会は政府公認の独立教会とバチカン(ローマ教皇庁)と連携を保つ地下教会とに分裂している。昨年末には、河北省で神学生100人が省政府宗教局前で神学校の主要ポストに当局が任命を図ったとして抗議デモを行った。
中国とバチカンは、教会を管理する権限、特に司教の任命をめぐって対立しており、張氏の河北省党書記という役職は、中国の対バチカン対策とも関連していると見られる。