イラン国内のキリスト教徒らは、イラン当局から国家的な激しいキリスト教信仰の迫害を受けており、最近になってより迫害が激化してきている。24日、英クリスチャントゥデイが報じた。
英国に本拠を置くキリスト教系人権監視団体キリスト教国際連帯(CSW)は17日、イラン国内で牧師がイラン当局による二度目の拘束に遭ったとの報告を受けたという。
CSWが受けた報告によると、イランの福音主義教会牧師アブドルレザ・マッテヤ・ハネジャド氏はイラン北西部ギーラーン州の州都ラシュトを訪問していたところ、イラン当局によって2度目の拘束に遭ったという。さらに同牧師は拘束下にあって、弁護士との接触が得られていないことも懸念されている。
同牧師は2006年にもイラン当局によって拘束されていた。 今年初めにも、同牧師の教派に属する10人の教会員とともにイラン当局によって同教会の活動が違法であると告訴され身柄を拘束されていたが、イラン当局が告訴を却下したことに伴い解放されていた。
先月にはクリスチャンの男性と女性がイラン国内で拘束されたことが報告された。男性はその後解放されたが、女性は現在も刑務所に収容されたままであるという。
CSWアドボカシー・ディレクターのアンドリュー・ジョンストン氏は「イラン共和国がこのようなただ単に信仰が理由で人々を投獄するような行いを止め、拘束するに相応なプロセスをとっていくことが不可欠です。同国は国際人権規約(ICCPR)を明らかに濫用しています。今回拘束された牧師の例にしても、まず告訴や裁判を適切な時間的間隔をもって行うか、拘束状態から解放されるべきであり、すべての信仰だけで拘束されている人たちは家族や弁護士との接触が取れるようにするべきです」と述べている。
今月初旬には、イラン北西部のザンジャン州に輸送された6,500冊の聖書が押収されている。CSWによると、イラン国会で社会問題を扱う委員会の顧問を務めているマジド・アブハリ博士が「キリスト教の宣教師は人々、特に青年たちを誇大なプロパガンダとキャンペーン活動によって騙そうとしている」と宣言したという。同博士はあらゆる諸宗教がイスラム社会に立ち向かうための力を強めているとの信念をもっていると見られるという。
同国政府関係者によって話される内容が最近になって特にアンチキリスト教的になっており、あるイラン政府高官はキリスト教徒は『タリバーン』やパラサイト(寄生虫)のような存在だと述べたという。CSWのジョンストン氏はイラン政府内で生じているキリスト教に対する敵対的な語調は「非常に懸念されるべき事態です」と述べている。