【CJC=東京】ENI通信によると、ドイツに聖職者をランク付けするサイトが登場した。教会に通う信徒たちに、自分の教会の「羊飼い」の礼拝、青年活動、高齢者対応、信頼度、時事的な問題への関わりなどの対応の仕方を評価してもらおうという。この『ヒルテン・バロメター』(羊飼いのバロメーター)は6段階評価で、教皇ベネディクト16世は3・81とか。
「『ヒルテン・バロメター』を案出したのは、司牧(牧会)活動というものは質が問われるべきだから」とサイト設立者の1人アンドレアス・ハーン氏。「聖職者と教会員の対話のための公開の場としたい」と言う。
独福音教会(EKD)は先ごろ、教会活動に関する声(フィードバック)を集める目的のパンフレットを発表した。著者の1人フォルケルト・フェンドラー氏は「礼拝の質を向上させようとするなら、フィードバックが欠かせないことははっきりしている」としており、『ヒルテン・バロメター』を有力な手段と言う。
ハーン氏は、ウエブサイトがすでに50万回接触されており、これはフィードバックのためにはデジタルメディアが効果的だと感じる人が多いことを示している、と語った。
しかし教会の中には懐疑的な人もいる。ベルリン市中央部のプロテスタント教会グループのクリスティアーネ・ベルテルスマン報道担当は、ウエブサイトでは「真面目な」取り組みにはならない、として「もしもベルリンに来て、誰も知らず、そこで落ち着けるキリスト教共同体を探そうとするなら、このウエブサイトは指針として役立つかも知れない。しかし実際に礼拝に出掛け、自身で判断するべきなのだ」と言う。
ベルリンのホルガ・シュミット牧師はサイトを「全ての心にたどりつく道を求める非常にカリスマ的で才能のある現代的な若い羊飼い」と描写するものの、「公開されておらず、匿名だ。このような対話はオープンにされなければならず、それで聖職者は応答できるのだ」と電話インタビューで語った。
これに対しハーン氏は、匿名だから議論が盛り上がるとして「多くの人は司祭に直接話したいとは思っていないし、その働きで気にいらないところや、改善の余地があるところを告げたいとも思っていない」と反論している。