厚生労働省が、今までの「4大疾病」がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に、精神疾患を追加して「5大疾患」とする方針を示しました。心の病が国民病となった時代に、本当の癒やしはどこにあるのでしょうか。命の与え主である神からの癒やしをしっかりと受け止めてまいりましょう。
2千年前、聖霊を注がれたイエスの弟子たちが使徒となり、ローマ帝国が支配していた当時の全世界、地中海沿岸の国々に福音を宣べ伝えていきました。人々はイエスを信じ救われ、どんどん教会が建て上げられていったのです。しかし、ローマの皇帝の守護神を信じなければいけないという命令に対し、初代のクリスチャンは、「私は、イエスだけを信じる」と信仰を明確にしたのです。そのため、多くの人々が捕らえられ、闘技場でライオンや熊と戦わせられたり、松明代わりに燃やされたりして、命を失った者もたくさんいたのでした。そういう状況の中で、教会を励ますために書かれたのが、ペテロの手紙です。ですから、ここに描かれている苦しみは、単に辛いことがあるという程度のことではなく、生々しい迫害でした。
あなたを苦しめている病がどれほどリアルなものであったとしても、それに負けない救いと癒やしの約束を、神が下さっています。私たちの人生が、揺らぐことのないものとなる賢さの根源を、発見しておきたいのです。三つのことを心に刻み付けて下さい。
1.病や思い煩いを、神に委ねる
自分には解決する能力がないのに、問題を抱え込み、勝手にこねくり回し、どんどん自体は悪化していくということはありませんか。病気も、素人療法をいろいろ試してかえって悪くしてしまうということがあります。私たちの手に余る試練や試み、健康の不安から来る一切の悩みを、主イエスに委ねる感覚を持ちましょう。
「信仰とは・・・」と難しく理屈を考えないで、聖書の御言葉をしっかりと受け止めましょう。「神が私たちを愛して下さるのだから、思い煩わないで明け渡しなさい」と聖書は語っています。「私の不安も、病気そのものも、神様、あなたにお委ねしますから、お取り扱い下さい。癒やして下さい」とはっきりと告白していきましょう。
2.神の御前にへりくだり、悪魔の働きと縁を切る
聖書の世界は、神の救いと悪魔の滅びをはっきりと対比しています。命を与え、私たちがさらに豊かに命を喜ぶために来て下さる良き羊飼い、神のひとり子イエス。いろんな罠を仕掛け、幸せを奪おうと誘惑し、囁き、私たちを滅ぼすためにやって来る悪魔。どちらの働きを受け入れますか。本当に、気を付けなければいけません。
確かに、私たちが生きるこの世には、様々な力が存在しています。「あなたがたは、神の力強い御手の下にへりくだりなさい」と聖書が勧めているように、救い主と共にいることを選び取りたいのです。
「あなたがたが魂に幸いを得ているように、すべてのことで幸いを得、かつ、健やかであることを祈る」と聖書は宣言しています。私たちが健やかで、日常生活の事柄においても祝福を受け、救われた喜びを持って生きることが神の御心なのです。あなたを病気に閉じ込め、生き生きとした毎日から切り離そうとしているのは、悪の霊の働きです。悪魔の働きとちゃんと縁を切りましょう。
3.必ず引き上げられるという神からの恵みの約束
苦しみの中にずっと留まり続けることを、良しとしてはなりません。聖書は、「あらゆる恵みに富みたもう神」と語っています。それは、即ち、あなたのための恵みも神はちゃんとお持ちだということです。そして、しばらくの苦しみの後、ちょうど良い時に、必ずあなたを強くし、引き上げて癒やして下さり、不動の者として下さる。それなのに、「あらゆる恵みに富みたもう神」に対する信仰を忘れてはいけません。あなたが今、しばらくの間、苦しんでいるならば、「主よ、そろそろ私は癒やしていただくべきです」と神の力をいただいて、強く立ち上がろうではありませんか。
病気をあなたの一生の間、当然のことにしてはなりません。主に癒やされて、さらに大きな栄光をお返ししようではありませんか。「神のご支配が世々限りなくありますように」とあるように、クリスチャンには、神の恵みはずっと豊かに流れ続けるのです。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。