気仙沼第一聖書バプテスト教会は、津波で会堂が全壊した。がれきの中、教会跡地に立てられた流木の十字架は、メディアでも取り上げられた。会堂は3年前に建てたばかりだった。
震災から2日後、教会跡地に積み上がったがれきの山を前に峰岸氏は、ヨブ記1章21節とテモテへの手紙一6章6節から8節の聖句を思い起こしたという。目に見える物を失ったことで、逆に目に見えない神により頼む信仰が強められ、牧師としての献身の思いを新たにした。
震災前にはまったく交流のなかった国内外の教会から、教派を超えて多くのキリスト者が教会跡地を訪れ、教会復興のために祈りをささげた。具体的な支援の申し出もあった。峰岸氏は、「なんという恵みでしょうか。(家が)流されて感謝できるのは、クリスチャン以外にいない」と語った。
教会跡地には、会堂の床と講壇だけが残っている。峰岸氏は、その空間に「(神の)聖なる臨在を感じる」という。「大水もその愛を消すことができません。洪水も押し流すことができません」(雅歌8・7)との聖句を引用し、「大津波も、キリスト・イエスにある神の愛を引き離すことができません」「神の愛は決して変わることがない」と力を込めた。
祈祷会は、毎月11日に開催されている。次回は8月11日午後7時から、東京都新宿区百人町1-17-8の淀橋教会で開かれる。津波によって会堂が全壊したシーサイドバイブルチャペル(仙台市宮城野区)牧師の内藤智裕氏が講演する。