【CJC=東京】中国・河北省カトリック教会邯鄲教区のヨセフ・スン・ジゲン被選司教の叙階式典は6月29日に予定されていたが延期された、とUCAN通信が報じた。政府からの圧力によるもの、という。スン氏の司教任命は教皇ベネディクト16世の承認を受けているものの、公認教会側は認めていない。河北省の省都石家荘当局の介入があった、と教会筋は語っている。
スン氏は、隣接する河南省で叙階前の黙想を行っていたが、それを終えた直後に公安当局によって教区顧問のヨハネ・ファイ・ジャンティン神父と一緒に警察車両で連行された。邯鄲付近でファイ神父は飛び降りようとした。公安職員は、別の車両に乗せて教区に帰らせ、スン氏だけを石家荘に連行した。スン氏には監視が付いているものの異常はない、という。
邯鄲のステパノ・ヤン・シャンタイ司教(89)は事態の報告に心臓発作を起こし、教区運営の病院で手当てを受けた。
邯鄲教区は、教皇の承認なしに選任された成都のヨセフ・グォ・ジンツァイ司教の存在を認めてこなかった。叙階式典の際には、邯鄲教区の司祭は教皇の指示を読み上げるなどして抵抗した経緯がある。それで公認教会の司教会議は邯鄲司教への承認を与えなかったのだ、と見る向きもある。