【CJC=東京】中国四川省楽山のカトリック教会教区は、聖ペトロ聖パウロの聖日6月29日にパウロ・レイ・シイン神父を新司教を任命する。
バチカン(ローマ教皇庁)に近い教会筋は、レイ神父は、教皇の承認を受けておらず、「教会法上、今後も承認を得られない」と語っている。中国政府公認の司教協議会も、事態の重要性は認識しているのに、教会の伝統と教会法の侵害を認めるのは異常なこと、と言う。
「わたしたちとしては、中国の開かれた教会当局が候補者の適格性について、さらに検証し、教会の利益のため、今後さらに違法叙階を行わないよう、新指導者を任命するに当たって、司牧的配慮や福音を口実にすべきではない。また教会の原則を無視して教会の問題を他の目的のために利用すべきではない」と同筋は語っている。
司祭の中には、レイ神父が教皇から叙任されていないことを知って、叙階式典に出席すべきか悩んでいる人もいる。また叙階が行われることが分かれば、教会の前で阻止行動に出る、と言う人もいる。
司教や教区司祭の中に6月21日、四川省成都司教候補者のシモン・リ・ジガン神父の葬儀に出席後、帰宅していない人がいることが明らかになった。叙階式典への出席を強要されているのではないか、とも見られている。
レイ神父は中国天主教(カトリック)愛国会の副議長で、最高権力機構『人民政治協商会議』のカトリック代表。2010年、教区司祭16人、修道女4人、神学生1人、信徒10人の投票で27人を支持を受け選出された。