信者の女性にわいせつな行為をしたとして、準婦女暴行の罪に問われていた国際福音キリスト教会の元主任牧師、卞(ビュン)在昌(ジェーチャン)被告(62)について、水戸地裁土浦支部は20日の判決公判で、同被告に無罪判決を言い渡した。判決では、「女性の証言の信用性は否定せざるを得ない。事実を認定すべき証拠は存在しない」とし、被告側の主張が客観的に裏付けられると認定した。
検察は、2007年2月17日を犯行日として主張していたが、卞被告は韓国から来日した宣教師らと自宅にいたと主張。卞被告がアリバイを示すものとして提出した写真について、検察は改ざんが見られると主張したが、判決は「撮影日時が改ざんされたことを疑わせる事情は何ら存在しない」と退けた。
水戸地検は、上級官庁と協議し、適切に対応するとコメントしている。
訴状などによると、卞被告は当時信者だった20代の女性に対し、「私に従わなければ悲惨な人生を歩む」などと説教し、つくば市内の教会で抵抗できない状態にさせて乱暴したとされている。
判決を受けて、女性の支援団体「モルデカイの会」の加藤光一代表(65)は、「残念な結果。密室の被害なので証明するのが難しいと実感した。検察には控訴してほしい」(東京新聞)などと訴えた。
同問題をめぐっては、被告の容疑が取りざたされた後、同教会の一部信徒と、被告が創始した小牧者訓練会に関わりがあった牧師らが超教派で、被告に謝罪を求める内容の声明を発表するなどしていた。