【CJC=東京】エジプトの首都カイロのインババ地区で5月7日、キリスト教コプト教会信徒とイスラム教徒の間で抗争が発生、国営テレビによると、10人が死亡、232人が負傷した。
「サラフ主義者」と呼ばれるイスラム原理主義の群衆数百人がコプト派聖メナ教会に押し掛け、イスラム教に改宗したコプト教聖職者の妻が行方不明になったが、「教会が女性を誘拐した」ためと抗議、これにコプト側が反発、信者が教会を守るために集合した。
問題の女性が同日、衛星テレビに出演し、改宗していないと述べたため、イスラム教徒側が憤りを強め、衝突に発展した。
双方は銃を撃ち合ったり、火炎瓶や石を投げた。同教会ともう1カ所の教会が放火された。ただ双方が協力して消火に努めたとの情報もある。
英公営BBC放送によると、190人が逮捕され、200人が軍事法廷で裁判に掛けられる、という。
イスラム教国エジプトで、国民の10%弱がコプト教信者。国内での宗教対立は近年、増加傾向にある。カイロでは3月にも両教徒の衝突があり13人が死亡している。ただ一連の抗争は、宗教間の対立ではなく、反革命勢力による扇動との見方もある。
エッサム・シャラフ首相はバーレーンとアラブ首長国連邦訪問を中止、事態収拾のため8日、緊急閣議を招集した。