メソジスト教会の創始者ジョン・ウェスレーの生誕(6月17日)を記念して20日、「ウェスレー生誕記念礼拝」がウェスレアン・ホーリネス神学院(黒木安信院長、東京・台東区)で開催された。同神学院理事長の本間義信師がウェスレーの遺した説教集を元に、「ウェスレーの近代経済への貢献」と題して説教した。教職者や神学生、一般の信徒らおよそ30人が学びに集った。
ウェスレーは、キリスト者の金銭の使い方について語った説教の中で、「キリスト者は、この世の富の忠実な管理人にならなければいけない」と語っている。
本間師は、ウェスレーの「お金と信仰」に関する説教のポイントとして3つの法則を挙げた。
まず、?「できるかぎり稼ぐ」こと。ウェスレーは当時の信徒らに勤勉に全力を尽くして働くよう促した。次に?「できるかぎりを蓄える」こと。贅沢のためにお金を使うのではなく、あくまで神からいただいたものとして金銭を尊く扱うように勧めた。そして、それらによって生じた余剰を?「できるかぎり、施し与えよ」とウェスレーは教えた。
ドイツの社会学者マックス・ウェバーは、彼の主著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で、ピューリタンの教えにも同様に見られる?、?の強調点を賞賛し、これらの教えが資本主義社会の精神の形成に大きく貢献したことを強調している。
しかし本間師は、ウェスレーの説いた?「できるかぎり、施し与えよ」という慈善の精神こそ、実際は18世紀のイギリス産業革命の中でも庶民の生活の道義を最後まで守り導き、また別の方面から現代社会の形成過程において大きく貢献したのではないかと提唱した。
ウェスレーは生前、「金銭と信仰」に関する説教を度々行った。それは、ウェスレーに直接学んだものたちでさえも金銭の欲にとらわれて、これらの教えを実践できなかったことを意味している。
最後に本間師は「信仰によってでなければ実行はできない」とし、人の欲が渦巻く社会にあって、聖書の教えに基づく正しい金銭の管理をして、信仰による光を輝かせるものとなるようにと一人ひとりに訴えた。