民族間の対立によるクーデターから奇跡的な回復を果たす役割を担ったフィジーのキリスト教指導者、ブニアニ・ナカウサヤ師が11、12日、大阪市内で講演した。伝道がはかどらない日本の教会に対し「祈り、臨在を求め、ひとつになろう」とトランスフォーメーション(変革)の大切な要素を語った。延べ150人が参加した。
開拓教会の交わり「主のしもべフェローシップ」が主催した。
フィジーは南太平洋の楽園とも呼ばれ、毎年多くの観光客でにぎわう島。だが2000年5月のクーデターで情勢が悪化すると、首都スパを中心に略奪や強盗などの犯罪が多発するようになり国は荒廃していった。
自国の将来を心配した教会の指導者たちは、ヴニアニ師らの呼びかけで教派を超えて集まり一致団結し神に祈った。その時から国政は急速に回復し、神様の奇跡が至るところで起こり、たくさんの人が主イエスを信じ救われていった。現在、国民の52%以上がクリスチャンという。
ブニアニ師はフィジーの部族長の家系出身。国家の危機にいち早く諸教会や牧師に一致を呼び掛けた中心人物だ。現在、フィジー首相のチャプレンを務め、不正や罪で荒廃している地域が、神様の介入によって奇跡的に変革されていくことを願い、世界各地で「地の癒やし」のセミナーを開催している。
講演の中で、ブニアニ師は日本の教会に必要なものとして「主が私達に臨んで下さることを求めること」「地域のために祈ること」「ひとつになること」を挙げた。
「私たちが神の前にへりくだって主の臨在を求め、地域の癒やしや地域の必要のために祈るとき、主は教会、地域、国家に介入してくださる。主が臨むとき地域や国は変革される」。そのためには、「教派や伝統が中心になるのではなく、教会が互いに理解し、仕えあう心で『ひとつ』になることこそ大切。主の民が愛し合い『ひとつ』になるとき、悪魔の策略を打ち壊せる」と、主の御心を強く迫り、参加していた牧師たちへ一石を投じた。
また、同師は、新約聖書マタイによる福音書9:16−17を引用して「この時代には新しいぶどう酒に新しい皮袋が必要。その新しい皮袋とは、お互いの信頼関係、主との親しい交わり、人々のニーズに応える奇跡や預言」と説明。フィジーのトランスフォーメーションの体験から霊的原則を力強く語った。
日本のリバイバルの鍵を見出そうと、初日は教会員中心に約100人が参加、二日目には教会指導者中心に25教会から約50人が集まった。
集会を主催した「主のしもべフェローシップ」は、開拓教会の日本人牧師、韓国やシンガポールからの宣教師らによる集まり。アッセンブリー、改革派、ルーテル派、ナザレン派などの牧師が毎月定期的に大阪市内に集まり賛美し祈りの時を持っている。同フェローシップの中尾雅之牧師(愛カルバリーキリスト教会、大阪府堺市)は「ブニアニ師の話を聞いて心が燃やされた。私達(フェローシップ)も、今後他の先生方に呼び掛けて共に『一つに』なって、お互いのため地域や日本のために祈っていこう、と新たなスタートに導かれている」と熱意を語った。