山梨英和大(山梨県甲府市)で26日、青年期の精神をテーマとする講演会があった。幼少時代に十分な愛情を注がれなかった人の精神や結婚後の傾向などについて精神科医が説明。講演後の質疑応答では「自殺願望をどう抑えるか」など切実な質問が飛び交い、学生の霊的困窮を示す時間となった。
精神科医の神庭(かんば)靖子氏が講演、新約聖書コロサイ3章12−17節を引用した。幼少時代に親から十分な愛情を注がれなかった人は、その愛を配偶者に求め、問題を引き起こすこともあると説明した。家庭内での親子間の愛情表現の重要性を指摘した。
礼拝があり、同大の木田献一学長が「平和の源泉と拡がり」と題して説教をした。詩編19、131編を引用して、神の愛によって得られる精神の安定について話し、親からの普遍的な愛は激動の社会に生きる若者にとって大きな力となると強調した。
授業1限分の時間を休講にし、学校ぐるみで集会を行った。学生約370人が参加。講演後の質疑応答は「自殺願望をどのように癒せるか」など切実な話題に及んだ。神庭氏はこの問いに対し、親を許し和解すること、自分を客観的に見つめ自分自身の姿を振り返ることなどを勧めた。
同大宗教主任の深津容伸教授は、今回の集まりが学生の精神面の必要を満たす機会となったと評価した。礼拝と講演の内容を事前に打ち合わせなかったにも関わらず、主題が一致したことに神の導きを感じたと証しした。深津教授は、人が生きるための糧を提供することがミッションスクールの使命だと述べ、「キリスト教に基づいた人間教育の一環として開かれた本集会の重要さを感じた。福音の中に生きる力を学生たちが見出せれば」と語った。